大人オリジナル小説
- Re: 私って、生きてる意味、あるのかな。 ( No.8 )
- 日時: 2012/03/27 12:31
- 名前: 香月
No.6 「一人にさせて。」
「…っていうふざけた奴もいるから、早く帰った方がいいよ。もう十時だしね」
見知らぬ男の人が話しかけてきた。
さっきの、キモいおじさんっぽいセリフも、この人が言ったのか。
……おせっかい。
「大丈夫です」
大体、そっちだって学生なんじゃないの?って言いたくなるような背格好をしている。
いってもハタチくらいかな。
「…塾の帰り?」
その人が、ベンチに座ってきた。
もちろん、人一人分あけて、だけど。
…なんなの?この人。
どうでもいいでしょ、私が何をしようが。
赤の他人じゃん。
…あの二人と、同じじゃん。
「…違います。ご心配、ありがとうございます。でも私、もう少しここにいたいので平気です」
ほら、分かったでしょ?
私はこういう奴なの。
人の好意を踏みにじるような奴なの。
分かったら、さっさとどっか行って?
もう誰とも、関わりたくないから。
「…そー。じゃ、俺もここにいたいからいるよ」
…は?
何?なんで?
来ないでって、言ってんのに。
一人にさせてって、言ってるのに。
一人になったらなったで、君は泣くだろ?
泣かないよ。
じゃあ、笑うのかい?
笑わないよ。
私はただ、そこにいるだけ。
何もしない、何も感じないの。
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