大人オリジナル小説
- Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【お礼小説】 ( No.113 )
- 日時: 2012/11/22 18:21
- 名前: 黒猫ミシェル
「そんっ…な……」
「嘆かわしいことに、本当何ですの」
優雅な薔薇の香りが立ち込める部屋で、佳菜子はすすり泣いた。
ここが誰の部屋で、どこなのか何て、考えることすら出来なかった。
「だって!!あの二人は…菜々さんと愛美さんは、私と幼馴染で…」
「お姉様!」
ビクッと、佳菜子は華奢な身体を震わせた。
そんな佳菜子に、少し冷たく桃子は言う。…少し、冷たく。
「いつまでもくよくよなさらないで。お姉様らしくないですわ」
「私、らしくない?」
「そうですわ、お忘れになって。麗華についた、下種の事何て」
「麗華様についた…下種…」
「そう。…お姉様には、桃子だけ…」
可憐な唇を心なしか佳菜子の耳に近づけ、甘く言葉を紡ぐ。
先程とは打って変わった、優しい口調で。
傷付いた心を癒すように、溶かすように。
「お姉様には、桃子だけですの。…ねぇ、お姉様?」
「桃子、さん…」
「さぁ、お休みなって…。眠いでしょう?」
「あ…」
「ちょっと眠たくなる香りなんですのよ。…慣れてない方にはね」
「…。……」
夕方に近い時刻でその部屋は、薄暗く染まっていた。
二人の顔には影がさし、桃子の怪しい微笑みも…吸い込まれて見えなかった。
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