大人オリジナル小説

Re: お嬢様に虐められて虐めましょう。【お礼小説】 ( No.125 )
日時: 2012/12/19 21:26
名前: 黒猫ミシェル

「麻衣、恋ってしたことあるの?」

「こい?」

「ええ。恋よ」

麗華様とお友達になってから、数週間が過ぎた。
いつもと同じ待ち合わせ場所に、麗華様は悲しげな顔をして座っていた。

「ないよ?」

「わたくしはね、麻衣。好きでもない人と結婚しなくてはいけないの」

「えっ?どういうこと!?」

始めて聞く話に、私は興味津々だった。
麗華様が好きでもない人と結婚なんて、何故だろうと。

「わたくしは月城家の一人娘。将来は月城家を担っていくの」

「ふーん」

「月城家の利益になることの一つに、政略結婚があるのよ」

「そうなんだ…」

私には難しい話で全く分からなかったけど、麗華様が可哀想だと思った。
好きでもない相手と結婚。
そんなこと、考えたこともない。

「麻衣。わたくし嫌よ。結婚するの。でも、しょうがないものね」

「れいか…」

麗華様の声は切なくて。
私は泣きそうになった。
こんな綺麗な麗華様が、何でこんな酷い。

「麻衣、麻衣は良い恋をするのよ?」

「うん…。でも、れいかは…?」

「わたくしのことは気にしないの!!」

「れいか…」

ニッコリと笑う麗華様。
私は麗華様の分まで素敵な恋をしてみせると、誓った。