「あ、滉大様?」「何…麗華ちゃん?」「アレを取って下さるかしら?」今思い出した、そういう表情の麗華。『アレ』と言う言葉に一瞬の逡巡を見せた後、滉大はどこかへ駆けて行った。*+*次に滉大が戻ってきたとき、滉大の手には混濁色のケースが握られていた。「何よ、それ…」「見て分かリませんの?」「これはね、聖花。 麻薬だよ」怯える聖花に、優しく滉大が答える。銀色のケースから滉大が取り出したのは、銀色に光る注射器だった。