大人オリジナル小説

Re: どこへも行けない ( No.13 )
日時: 2012/05/20 01:18
名前: かな

5つめ

「絶望工場」

自殺しちゃだめってよくいわれるけど、死ぬより生きてるほうがずっと辛いって思ってる人もいる。
でも誰も死んだことのある人は生きていないから、自殺したら地獄に落ちるよと言われても反論できない。
こういうのずるいと思う。だって生き地獄もあるんだもん。
死ぬことは、人間の本能に反している行為だから、私は自殺する人を素直に尊敬してしまう。

私はお父さんの借金を返すために(自主規制)で働く前は少し暗くて友達がいない女の子だった。
けど全部ピンクのペンキで塗られた部屋でおっさんやおじいさんの(自主規制)する生活を1年くらい続けていると、自分が汚物だと思うようになった。意地の悪いお客さんにも時々そういった言葉を投げられた。
自分で自分を汚いとか劣っていると認めるのはとても難しい。
私はそういうのが辛い。とか苦しい。とかを友達とか恋人がいなかったので店に行くのが嫌になってきた。

ある日、店長に「やめさせてください」というと
「お前けっこう働いてくれて一応人気あるからそういうこと言うなよ」
と飲み屋につれて行ってくれて甘いお酒を飲んで私がたてなくなったら「しょうがねえな」と店長が言って店長の部屋につれていかれて店長は玄関先で「自主規制」をさわって、私はびっくりした。
そのあと店長は店長の臭い布団に私に押し込もうとしたので私は臭い布団の中で店長の(自主規制)と思うと気持ち悪いからいやですと店長に言ったら殴られた。頬が熱くなって、ジンジン痛くなり始めた。
ここでおとなしくなっちゃだめだ。と私は思った。
店長に負けてはいけない。でも私は力がないから殴りかえして店長を負かすことができない。
だから、店長がびっくりするようなことをしてその隙に逃げようとおもった。


私は「ちょっといいですか」とおとなしくなったふりをして布団から這い出た。
台所にいって包丁を探して小さな果物ナイフがあったのでおもいっきり左の手首に突き立てたら意外と殴られるより痛くなかったけど噴水みたいピューって血が出た。店長はびっくりしていて勝ったなとおもったけど、いつもよりすごい量が多いから死んじゃうと思った。


お店が終わった後、寂しいのとしんどいのが襲ってきたときに私はそういうストレスを解消する手段がわからなかったバカだったからよくカッターで二の腕の内側の方を切ったりたばこの火を押しつけたりしていた。
すごく痛くて辛かったけどそれは寂しい苦しさとは全然違う苦しみで簡単に耐えられたし、痛みに耐えられた自分をほめることができた。汚い私が血と一緒に流れたみたいに自分が一瞬心のなかから消えた。しかも耐えた後は頭がくらっとして痛みが気持ちよかった。

お店の女の子でも手首に傷があるこは数人いて一回も話したことはなかったけど、
「リスカの跡無駄に追求するおやじがいるんでうっぜーの」とちょっと自慢気に話しているのをロッカーで又聞きしているのをきいた。私はお客さんに聞かれたくなかったし誰にも偉そうに語りたくなかったからあまり見られない二の腕の内側にした。

店長の時は店長に見てもらいたかったから手首に傷を付けたけどこんなに血が出るとは思わなかったから
私は涙が出てきてしまって、「いたいたすけて」と泣いてしまった。
店長がなにをしているか涙でぼやけて見えなかったけど、電話をしたみたいで私は白い服の男の人たちに担がれて布にくるまされて
救急車に乗せられた。腕がすごい痛くて頭がぼーっとして気持ち悪かったけどはじめてのった救急車はおもしろかった。


横を見ると店長がゆがんだ顔をして座っていて、私に気づくと笑顔になってお前明日からこなくていいからなと優しい声で言った。入院中は当たり前だったけど誰もお見舞いに来なくて、私は病院の人にいろいろ聞かれたあとに実家に帰らされた。

5年ぶりに実家に帰るとお母さんが家にいて、お帰りと言ってくれた。
お母さんは5年前とあんまり変わってなくておうちも変わってなかったけどフェレットのスモモは死んでいた。
私は捜索願いを出されていたらしい、お父さんは破産宣告をしたので私はこれ以上働く必要はないらしい。
破産のあとにいろいろゴタゴタがあったけど父方のおじいちゃんが何とか始末をつけてくれたらしい。
お父さんはゴタゴタが終わったあと樹海の方に行って警察の人に捕まった。その後家に連れ戻されて、
自分の部屋でずっと引きこもっていたけれど、あるひ私の部屋で首をつって死んだらしい。
「おとうさん私の部屋で死んだんだ。」
と言って私が笑うと、お母さんが
「何笑ってるんだよお父さん死んだのに涙の一つも見せないのか、薄情な子だね。」
と怒った。お母さんが怒ったので私は二階に行って自分の部屋に行った。
部屋は何にもなくて、小さい時部屋にあった机や本棚やぬいぐるみは魔法みたいに消えてた。


お父さん変なの、なんで私のへやで首つったんだろ、変なの。でもお父さんちゃんと死ねていいなあ。
しんだら永遠に目をつむっていられるんだもん。私の人生目を開けても嫌なことばっかりだから、私はずっと目を閉じて眠っていたい。

いつかお父さんみたいに立派に死ねたらなあ早く死にたいなあ。と思ったら、きゅうにおかしくなってきて、空っぽの部屋で私は大きな声を出して笑ってしまった。こんなに笑ったのは生まれて初めてだった。

あとがき
自主規制はこういった感じでOKでしょうか。もし誤った点があるのならばご指摘ください。