大人オリジナル小説
- Re: どこへも行けない ( No.9 )
- 日時: 2012/05/19 22:17
- 名前: かな
4つめ
「ルール」
「みんなで一緒にごはんを食べよう。」と髪の長い女子に誘われた。貴族が乞食にパンを恵んでやるときみたいに言われた。
「みんな佐藤さんが心配なんだって。」
髪の長い女子が振り向いたその先には
クラスの明るい女の子達が自分の机同士をくっつけて、絶えず笑って喋っている。髪の毛の長い女子は私にニコニコ笑いかけている。
私は乞食になりたくなかったので「いや」といったら、翌日リコーダーを隠された。乞食は反乱を起こさずに黙って貴族に従えってことか。その日は音楽があったので、私は机で教科書を眺めるしかなかった。これが毎日続くと、まいるな。と思った。
一週間位、モノやイスを隠されつづけた。自分のモノがないのはそれなりに辛かったが、あの女共のくだらない遊びに付き合わされているという立場がうっとうしかった。自分たちが貴族だと確かめる遊びだ。
一日ごとに教室の空気を吸うのが苦しくなってきて畜生と思った。
その日、授業が終わり下校時間になって、私は教室を飛び出た早く帰って寝たい。と思いながら、げた箱をあけた。
私のスニーカーはちゃんとそこにあったけど、中にゴキブリが入っていた。スニーカーを逆さまにしてゴキブリを落とした、そしてあの女共が一生懸命ゴキブリを私のスニーカーに入れる場面を思い浮かべた。
お前らこそゴキブリだよ。と思って急に胸がムカついてきた。
どうしよっかな、やろっかな、とスニーカーを持ちながらしばらく考える。
よしやるか。と決心してゴキブリが入っていたスニーカーを持って教室に向かった。
教室にはまだ生徒たちがたくさんいて、あの女共もいた。みんなスニーカーを持って教室に入った私を自然に無視をしていた。
私は机の間を進んでいった。窓側の席で数人女共がだべっている。
私が目の前にいても、女共は楽しそうにおしゃべりしながら笑っていた。私はそこにしばらくつったっていた。
弁当の時声をかけた髪の長い女が、ようやく
「さっきからキモいんだけどどうしたの?」
と笑っていった。
私は女の頭をスニーカーでぶっ叩いた。
そして全力で教室から逃げた。
キャーとかキチガイとかいう声が聞こえた。私はとうとう反乱をおこした。
男子が追っかけて来たので、途端に怖くなって本気で走った。
逃げながらも頭の中は冷静で、明日からいじめは確実に本格的になるだろう。家に帰ったら温度計お湯であっためて風邪で休もう。とか走りながら考えていた。
風邪って嘘はすぐバレて、母親に叱られた。訳をいいなさいと怒鳴られたが、それに負けずに黙って一週間位休みつづけた。
ある日私あてに手紙が来た。リラックマの便箋に、こういった事が書いていた。
「佐藤さん(私)へ
クラスのみんなは佐藤さんがマナちゃん(髪の長い女)にやったことは最低って言ってます。
マナちゃんは泣きました・・・。でも許してあげると言ってました。
ひどいって思いませんか??
自分のしたことを反省してください!!
ものを隠したりしたのは男子たちが勝手にやったことです。
私たちは何もしていません。
私たちはみんなで仲良くしたいだけのにあなただけ性格悪くて意味不明です。
みんなが道惑しています。
佐藤さんのためにも、もう私たちの学校に来ないほーがいいとおもいます。
ps_この手紙はだれにも見せないでください」
この時丁度、担任がプリントを届けに自宅に来ていたので、とりあえず私は手紙を担任に渡しといた。
また色々面倒臭くなるだろうな。でも、もう学校行かないしもうすぐ夏休みだからいっか。