大人オリジナル小説

Re: いじめ【苦しい、怖い、痛い】 ( No.10 )
日時: 2012/06/20 19:54
名前: ルナ ◆DlyW/s8ibQ
参照: 小説大好きです(^^)

第二章 【美紀が教えてくれたこと】

私は朝日が眩しく、起きてしまった。

(起きたくなかったのに…)

朝日を憎んだ。
けれど私は構わず、リビングへ降りた。

「未来、おはよう。」
「…おはよう。」

まだ、お母さんは気づいてない。
私がいじめられてるのに。

私は、朝食を食べる前に、制服に着替えた。
すると、ニュースが流れた。

『午前7時39分、○○市の○○さんが殺害されました。
 状況は…』

私は、殺人ニュースが流れるたびに、あの時を思い出す。








…美紀の事。 自殺しちゃった。 あの美紀の事を思い出す…。

涙が…落ちている…。
…あ。 なんで泣くのよ…。 こんな時に…。

(こんな事…しちゃいられない。仇とること探さなくちゃ…!!!)

私は食パンをかじりながら、外へ飛び出した。

行きたくない…。 こんなこと思ったら終わりになるから駄目。

「美紀…。」

私は、つぶやいた。
美紀がいないと…わかんないよ…。

私はそのまま、地獄を過ごした。

その夜。 不思議な夢を見た。

「未来…。」
「美紀…?」
「ごめんね。」
「うぅん。かばえなくて…仇も取れなくて…ごめん。」

なぜかしばらく、沈黙が続いた。
やっと、美紀が口を開いた。

「仇なんてとってもいいことなの…?」
「え…?」

私は、驚いた。
いじめられていた本人が、こんなこと言うなんて。

「だってそうでしょ? これは、私の問題よ。
 未来の問題じゃないの。」
「な、なんで、そんなこと言えるの?」
「あなたは、私をかばえなかったから仇をとりたいのでしょ?」
「うん。」
「それは、ただの に・く・し・み ではないの?」
「え…?」
「あなたは、現在、あの人にいじめられているわ。
 ということは、私と同じ経験をしたということ。どう?わかる?」

そうだ。 私は大切なことを忘れていたんだ。
そう…それは…。





美紀と同じ経験者だということ。





その経験者たちの、気持ちを伝えるんだ。

「わかったよ。美紀。
 伝えなくちゃ。 あいつらに。」
「そうよ。未来。行ってきなさい。」

私は、駆け出した。