第1話「好き」いつもの笑顔が心地よくて。いつもの優しさが嬉しくて。わたしは、あなたに恋していました。――でも、もうあなたはいません。――わたしに笑ってくれることは二度とありません。◆ ◇ ◆ ◇ ◆「春川くん……」わたしは、いつも一人で呟くだけで。彼の傍では、いえない。近づけない。――恐いんだ……人を好きになるなんてありえなかった。今のわたしにとって。どれだけすごいことだか……――あなたは、知っていますか?わたしは、あなたが好きです。