大人オリジナル小説

Re: 1年B組の悪魔 ( No.1 )
日時: 2012/08/05 17:46
名前: テントウムシ ◆uyBOASgJA6


プロローグ


「波多辺 結です。3週間よろしくお願いします」

私は33人の中学1年生たちに、お辞儀をしながら言った。
いっせいに拍手とあどけない笑みが、私へと向けられる。

皆が同じようにキラキラした表情をもった、今どきの中学ではなかなか見られない光景だ。

(さすが星麗学園の子供たちだわ……!)

私は思わず心の中で呟いた。

ここは星麗学園という名の、勉強で有名な私立中学校。
有力者の子供の割合も高く、中でも不思議な威圧感を放っているのは現在内閣総理大臣の浅田誠の一人娘である浅田葵だ。
いつもニコニコしていて、見ているだけでは何を考えているかわからない。

私はそんな彼女の通う学校に、教育実習生としていくことになった。
担当クラスは1年B組。
担任の堀川美穂先生も優しそうでよかった。

「結先生!好きなものは何ですか?」
「彼氏いますか?」
「何歳ですか?」

飛び交いまくる質問も、中学生としては珍しい。
皆笑顔で私に言葉を交わしてくれる。

ああ、なんていいクラスなんだろう。