大人オリジナル小説

Re: 中庭に妖精は埋まっている. ( No.2 )
日時: 2012/09/04 03:05
名前: celo .16





 __ドクドク ドクン


 教室は今か今かと転入生を待ち受けて
 騒がしい。

 なのに自分の鼓動はしっかり、確実に
 体で感じ聞こえてくる。



 「万さん、大丈夫??綺麗なお顔が青白いわよ」





 ______そりゃ青白くもなりますよ
 


 泉美は黙って手を上げて仕草で誤魔化した。
 作った笑顔で。




 そして2年1組の木製の扉が開いた。

 

 さすがに騒いでいた生徒達も黙って目をまんまるにして
 一斉に泉美を見た。

 


 「ようこそおお!!!! 2年1組へ!!!」



 泉美は10秒程理解できなかった。
 今ここに自分が立っていると気付いた時には
 万 泉美 と白色の文字で書かれた黒板の前で
 突っ立ていた。



 みんな笑顔で私を受け入れてくれている。
 いつしか泉美の顔にも笑顔がみられた。




 「じゃ、万さんはEくんの隣ね?」

 「はい。」


 みんなに注目を浴びる中、泉美は廊下側の一番後ろの
 特等席に腰を下ろし荷物を左のフックにかけた。



 
  ___なにあれ??



 荷物をフックにかける拍子に泉美の前の欠席の机の中に
 何かがあきらかに入っているのが見えた。



 

 泉美の呼吸が少し止まった。




  だって、血まみれの犬の首輪があるんだから







              











               ねくすと。