ゴーン ゴーン___
花木中学校のチャイムは普通の学校と
違ってて
16時を住人に知らせるチャイムでもある。
なんたって山奥の田舎町。
「ああ、クラスの子と挨拶すら出来なかった。」
泉美はそう呟きながら缶を蹴り帰って行った。
コロコロコロ、と転がった末に
「うそ。猫が倒れている」
物が転がった末には白色ベース、黒の水玉模様。
よく見かける子猫が今にも息を荒くしながら横たわっている。
泉美はそれを抱えてランドセルに入れていた
チョコレートをそれに今にも食べさせようとした。
「待って!」
天使のような声で泉の後ろから誰かが叫んだ。
当然泉美はびっくりした顔で振り向いた
「あのね!猫はチョコレート食べちゃダメなんだよ?!
病気になっちゃうかもしれないよ!」
「え? 、あ、す・・すみませ・・ん」
「いいのよ、私こそ驚かしてしまってごめんなさい。
あなた今日来た2−1組の万さん?」
「え、2−1組の・・・生徒さんですか・・?」
「そうよ!!2−1組の天野 雪!ゆきっていってね?」
雪は表情豊かに泉美の手を強く握りしめた。
___初めてのお友達。
「う・・うん!私、泉美、いずみって呼んでね・・」
「わかったよ!」♪
雪の笑顔はとっても天使みたいで
暖かくて眠りそうな声。____素敵
そのまま二人で昔の話などしながら
わいわい帰って行った。
「その猫キッタナーイ。!!!」
泉美は誰だかすぐにわかった。
だって今日のクラスで一番目立ってて意地悪そうな
女。おんな。 守靖 心 さん。
少し猫は水を飲んで回復までしていたのだ
「あんた万ってガキよね〜、気に食わないからまた引っ越せよ。」
_____デター、転入生イジメ。心さんがガキじゃん。
「睨んでんじゃねーよ!!!!」
そういって猫を掴んでその場にあったビン入れゴミ箱に
捨てた。
「なにしてんのよ!心ちゃん!」
そう言ったのは雪だった、
雪は怒りを見せながらごみ箱の中の猫を救助した。
当然泉美は何も、言葉もでなかった。
ただただ、雪の方だけを見ていた。
「フ、フフ、アッハハハ」
そういって心はいつしか道路から消えて行った。
____その声は何か企んでそうで
体が震える程の甲高い声。
まるで雪ちゃんの笑い声とはまた別の。
ねくすと