大人オリジナル小説

Re: 中庭に妖精は埋まっている. ( No.3 )
日時: 2012/09/06 01:00
名前: c e l o .16




ゴーン ゴーン___



  花木中学校のチャイムは普通の学校と
  違ってて
  16時を住人に知らせるチャイムでもある。

  なんたって山奥の田舎町。



  「ああ、クラスの子と挨拶すら出来なかった。」


  泉美はそう呟きながら缶を蹴り帰って行った。
 

コロコロコロ、と転がった末に





「うそ。猫が倒れている」


  物が転がった末には白色ベース、黒の水玉模様。
  よく見かける子猫が今にも息を荒くしながら横たわっている。


  泉美はそれを抱えてランドセルに入れていた
  チョコレートをそれに今にも食べさせようとした。




  「待って!」


  天使のような声で泉の後ろから誰かが叫んだ。
  当然泉美はびっくりした顔で振り向いた


  「あのね!猫はチョコレート食べちゃダメなんだよ?!
   病気になっちゃうかもしれないよ!」


  「え? 、あ、す・・すみませ・・ん」


  「いいのよ、私こそ驚かしてしまってごめんなさい。
   あなた今日来た2−1組の万さん?」


  「え、2−1組の・・・生徒さんですか・・?」



  「そうよ!!2−1組の天野 雪!ゆきっていってね?」


  雪は表情豊かに泉美の手を強く握りしめた。




  ___初めてのお友達。



  「う・・うん!私、泉美、いずみって呼んでね・・」




  「わかったよ!」♪


  雪の笑顔はとっても天使みたいで
  暖かくて眠りそうな声。____素敵




   そのまま二人で昔の話などしながら
   わいわい帰って行った。



   「その猫キッタナーイ。!!!」


   泉美は誰だかすぐにわかった。
   だって今日のクラスで一番目立ってて意地悪そうな   

   


   女。おんな。 守靖 心 さん。



   少し猫は水を飲んで回復までしていたのだ

   「あんた万ってガキよね〜、気に食わないからまた引っ越せよ。」



   _____デター、転入生イジメ。心さんがガキじゃん。





   「睨んでんじゃねーよ!!!!」



   そういって猫を掴んでその場にあったビン入れゴミ箱に
   捨てた。



   「なにしてんのよ!心ちゃん!」



   そう言ったのは雪だった、
   雪は怒りを見せながらごみ箱の中の猫を救助した。


   当然泉美は何も、言葉もでなかった。
   ただただ、雪の方だけを見ていた。




   「フ、フフ、アッハハハ」


   そういって心はいつしか道路から消えて行った。







    ____その声は何か企んでそうで
          体が震える程の甲高い声。


        まるで雪ちゃんの笑い声とはまた別の。













                ねくすと