大人オリジナル小説

Re: いじめっ子といじめられっ子と傍観者と偽善者 ( No.11 )
日時: 2012/10/21 03:02
名前: はこりんご

加奈がわらう声と私の叫び声がまざっておかしな空間を作り出していた。

加奈は私の水筒で私の背中を力いっぱいたたいていた。

私は水筒でなぐられた痛みを忘れるぐらい、心が痛かった。

もう死にたい。そう思った。

私の右手の傷は1つじゃ足りないようだ。

私はもう抵抗なんてしなかった。

ただ、涙をこらえ。

加奈との思い出を忘れようと必死だった。
もう思い出したくなかった。
悲しくなって。死にたくなって。おかしくなるから。
でも、加奈との思い出は消えてはくれなかった。

そんな時、栗香が手をたたいた。

加奈は私の水筒をゴミ箱に投げ捨て。
今度はライターをとりだし、私の荷物をすべて焼いた。

あの写真も。火の中。
私はお母さんの言葉をキレイごとだと思った。
だって、何も解決していないじゃないか。
何も大丈夫なんかじゃない。

いじめはやまない。
栗香がいなくなっても。
私が自殺しても、ターゲットを変更して。
まだいじめは続くだろう。

現実を恨んだ。

「これも焼いたら?」

栗香が私の腕をつかみそう言った。
私も焼くということだろう。
焼かれたら痛いのだろうか?
苦しいのだろうか?
しかし、今以上の苦しみはないと思った。

こんなに苦しいのだから。

死にたいぐらいなんだから。

今より苦しいなんて考えられなかった。

「でも‥‥‥」

「栗香‥‥‥‥冗談でしょ?」

とりまきたちもあたふたしている。

しかし加奈はくるったえみを見せ。
確かにこう言った。

「それ、いいね♪」

私は、さっき考えていたことを一瞬で否定した。

さっきより苦しかった。

加奈は私のことを嫌いになったのだろうか?
私は死んでもいいと思っているのだろうか?

でも、もしもそうなら、加奈。
喜んで、私もそう思ってるから。