大人オリジナル小説

Re: その人の花は枯れていく。 ( No.11 )
日時: 2013/02/17 12:58
名前: 来夏 ◆2ZBHn0dH/Y



 episode 中館美鈴


「……」


 給食の時間。
 今日のメニューは、コッペパンに苺ジャムとマーガリン。おかずはポテトサラダに、白身魚のフライ。コンソメスープで、デザートはブドウゼリー。


 隣の真辺雫は、怯えながらコンソメスープを口に入れている。今日のターゲットは、違うけども。
 その隣の八神千沙は、隣の席の七瀬広夢と話している。
 私の前の席の男子、正樹賢吾は白身魚のフライを普通に食べている。その隣の男子、近藤勇は七瀬広夢に話しかけられて、八神千沙と一緒に食べている。


「……」

 私はというと、コッペパンを食べながら隣の班の言葉に苛立ちを覚えている。


「このメンバー以外と、絡みたくないやー。絶対性格合わないもん」
「分かる分かる。馬鹿ばっかな気がする」


 小島飛鳥と早瀬要の言葉が、先程からイライラする。
 馬鹿な発言をしているのは、そちらの方だろ。


 ふと視線を感じて、その視線の方向を見る。
 その視線の先には、正樹賢吾。


「……何?」
「……同じか」


 その意味が分からなかった私は、じっと正樹賢吾を見る。
 正樹賢吾は私を見て、首を振る。


「……何でもない」


 そう言って正樹賢吾はポテトサラダを口に運んだ。
 何を言いたいのか、分からなかった。


「てか四之宮居たじゃん。あいつ、やっと消えるんだねー!」
「そそ。目障りだったもんね。美人なの、あれ」
「お前らひでーな。頭良いのに」
「それでもバカはバカじゃん」


 ああ、この人達は猿以下だ。
 ただ、人をバカにして、見下す事しか出来ないバカだ――


「八神、剣道昔からやってたの?」
「趣味でおばあちゃんに教えてもらってたよー」
「凄いね、八神さん」


 この三人みたいな、平和な会話をしない。
 心なんて無いのだろう。


 ただ、止める気にもなれない。
 私は、中立を望む人だから。