大人オリジナル小説

Re: その人の花は枯れていく。 ( No.6 )
日時: 2013/02/18 21:28
名前: 来夏 ◆mEmTKV/S.k

 episode 相宮輝咲




「……」


 わたしは、良く図書室に行ったり屋上へ行ったりしている。
 教室へあまり居たく無いのが、理由だった。
 

 ――毎日ターゲットを変えて、悪口を言っている人達を見たくないから。
 わたしも、ターゲットにされた事がある。


『不思議ちゃんっぽくてキモい』
『モテてるけど、調子に乗ってるんじゃないー?』


 主に黒澤さん達から、言われた事だった。
 実際、不思議ちゃんって言うのは小さい時から言われてたけど。


「……廉のところも、すごいんだろうなぁ」


 D組の幼馴染で、大切な人でもある瀬戸廉。
 四之宮さんが、停学になったって話を聞いたけどそれでも虐めは続いているらしい。
 本人は「関係ないし」って言っているけど。


「廉ー」


 図書室は広く、一人で読む席もあったり、さらに多人数で読める様にとさまざまなスペースも作ってある。
 廉は、二人用のスペースにある椅子に座っていた。こっちを見て、小さく手を挙げた。


「……相変わらず、そっちは精神的な虐めが好きみたいだな」
「四之宮さんが停学になったって聞いてから、あの人たち少し調子に乗り出したよ」


 本当の事だけど、なんか嫌な予感しかしない。
 いや、本当に嫌な感じしかしないんだ。

「……どいつもこいつも、バカばっかだな」
「廉、そんな事言っちゃダメだよ。いい人もいるんだから」


 廉のこの口調は、的を得てる、って言ってもいいのかな。当たってるけど、この口調もあって友達が出来ないらしい。
 本人は一人の方が楽、って言ってるけど。


「……平和だぞ、今は」
「四之宮さんが、居ないから?」
「あぁ。当たり前だ」


 廉は、あの人が居なくていい−−って思ってるのかと思った。


「どうして?」
「毎日暴力ばっかしてるからだ」


 淡々と答える廉を見ながら、ふと思った。
 同じクラスだったら、どうなってるのか。


 ――怖いなぁ、これから。