大人オリジナル小説

Re: その人の花は枯れていく。 ( No.7 )
日時: 2012/12/04 20:48
名前: 来夏 ◆mEmTKV/S.k



 episode 田川颯


「……」


 俺の髪は、父親譲りの金髪だった。クォーターとか言うらしいけど、良く知らない。


 俺は、不登校だった。世間とか、そういうのからしたら「学校へ通え!」だ。
 いじめられた訳でもない。俺が通わない理由は−−



 あんな奴らが居る所に、行く必要なんてないと思ったから。



 父親と母親をバカにされ、さらに見た目までバカにされたから俺はぶん殴った。
 全員、右頬だけ本気で殴った。女子にも遠慮なく。


 それ以来、行かないと思って行かない事にした。


 親は「いつか、行きなさい」で終わった。俺はただ逃げてるだけかもしれないが、あんなのと居たらストレスが溜まる。
 そう思った。



「……吉野んとこ、行くか」



 身体が弱く、不登校状態に近い女子。
 たまに電話をしたり、見舞いには行ったりしている。きっかけは、病院で喧嘩の傷を見てもらっていた時だったけども。



「……行くか。様子を見に。学校と吉野を」


 俺はこの時知らなかった。
 学校で、虐め女王とか呼ばれていた女が、停学になっていた事を。

 
 そして、あいつ等が調子に乗り出していた事を。