大人オリジナル小説
- Re: 世界はこんなにも――― ( No.3 )
- 日時: 2013/07/07 12:38
- 名前: ミム
1話
今日もいつも通りに過ぎて行く毎日。
私の毎日はそうして過ぎて行く。
普通に友達もいて家族もいてそれが当たり前だと思ってた。
だけど私は現実を見て無かったのかもしれない。
―――4月
「おはよ!柚葉!」
「おはよう、愛!」
等々4月が来てしまった。
そう、今日はクラス替えの日だった。
「一緒のクラスになれるといいね〜」
「そうだね。」
私は友達、愛(あい)と同じクラスになれる事を心から願っていた。
愛は昔からいつも私の傍にいてくれた大切な親友だった。
楽しいときも悲しいときも悔しいときもずっと一緒にいてくれたんだ。
「では、クラス替えの紙を張り出すので後ろに下がっていてください。」
教頭先生が張り出し板の前に立つと大きな長い紙を慎重に貼りだした。
「それでは自分の教室を確認してその教室の席に着くようお願いします。」
教頭先生は少し緊張したような声で言うとその場から歩き始めた。
するとそれを見ていた私達は一斉にクラス替えの紙の前に集まった。
勿論私も急いで貼りだしの前に行く。
「柚葉何組!?」
「えーっと待って!まだ見つけてない!愛は何組!?」
人ごみで流されそうな中私達は必死に自分のクラスを探し相手に伝えようとしていた。
「うちは1組だよ!」
「了解!私は――――あっ、あった…!」
私は『椎名柚葉』と言う名前を見つけると少しずつ目線を上に変えていった。
まだクラスは分かっていない。
そのクラスが一番上に書かれているのだ。
どうか…どうか愛と同じクラスでありますように…!
「あっ……」
「柚葉あった!?」
「う、うん…」
思わず涙をためてしまう。
だって愛と違うクラスだったのだ。
そう、私は4組だった。
「何組だった?」
「4組だったよ。違ったね…アハハ…」
心配そうに愛は私を見つめると手を握ってくれた。
「大丈夫だよ!クラスが変わってもうち達は何も変わらないんだから。」
「うん…ありがとう。じゃあ行こっか、教室!」
「そうだねっ。」
私達はゆっくり自分の教室に向かって歩き始めた。
1話 完