大人オリジナル小説
- Re: 世界はこんなにも――― ( No.4 )
- 日時: 2013/07/07 13:00
- 名前: ミム
2話
「じゃあね、柚葉!お昼はお弁当一緒に食べようね〜」
「う、うん!」
なぜかその一言で安心した私は思わず笑みがこぼれてしまった。
それにしてもどんな子たちがいるのだろう?
派手な子たちじゃないといいなぁ。
ドキドキしながら教室に足を踏み入れると周りを見渡しながら自分の席に着いた。
それにしても周りは賑やかだ。
もう皆グループで固まっていた。
固まっていないのは私ぐらいだろうか?
「はぁー…」
ため息が出る。
出始めが遅かった。
いや、違う。
そこにはもう一人私と同じように一人でいる子がいた。
その子は真黒なロングヘアーにとてもきれいな顔をしていた。
だけど雰囲気はいかにも暗かった。
そのせいだろうか?
彼女に近づくものは誰もいない。
その様子を見た私は勇気を出して踏み込んでみることにした。
ゆっくりゆっくり彼女に近づいていくと途中クラスの子にぶつかってしまった。
「いたた…ご、ごめんなさいっ!」
「あ、大丈夫だからー!それにしてもそんなところで何してんの?」
えっ!
そう思い彼女の席を見上げてみるとそこに彼女はいなかった。
「いや、何でもない、で…す!」
「そ、そう…」
明らかに相手は私の事をひいていた。
それもそうだろう。
私みたいに敬語で話す人なんてなかなか居ないのだから。
しかもこの高校は少しレベルが平均に比べて低かった。
だから髪を染めてる子なんて当たり前だし皆メイクだってしている。
その中で私は真黒なショートカットにメイクだってしていなかった。
ただでさえ友達を作るのが苦手な私はいつも気を使ってあまり友達ができない。
「ねぇ、こっちきなよ!」
さっきぶつかった女の子が私の手を引くといかにも今時の女子がたくさんいると子のに連れて行ってくれた。
「え、あの…―――」
「大丈夫だから!そんな緊張しなくても!ねっ!」
「う、うん!」
そう言ってくれると女の子は私の名前を聞き紹介してくれた。
「えっーと、この子は椎名柚葉!さっきそこでぶつかってさ!」
「よ、よろしくお願いします!」
それと同時に私は床に頭が付きそうなくらい頭を下げると挨拶をした。
「へぇー、うち優奈!よろしくねっ!」
「は、はいっ!!」
優奈と言う女の子は私に手を出してくれると握手をしてくれた。
なんて可愛いくて明るい女の子だろう。
私の始めの印象はそう言う感じだった。
2話 完