大人オリジナル小説

Re: 死んでもいいかい? ( No.10 )
日時: 2012/11/23 10:25
名前: カナリア ◆StaIqxr34U

学校につくと、急いで教室へむかった。
教室に入ると、みんなが私にあいさつをしてきたので、できるだけ全員に返事をした。
私が自分の席に座ると、かばんから教科書を取り出し、机の中に乱暴にいれた。数学Aと書かれた教科書には、私のはったふせんがいっぱいはみだしていた。
そんな時、ガラッという音と同時に教室のドアが開いた。そこには腰まである黒髪のかわいらしい女子が立っていた。

「真希!おはよう」

「おはよう、梨乃」

元気にあいさつをかわすと、真希は私のとなりの席に座った。
私と同じく、教科書を机に入れると、かばんからケータイを出した。この学校はケータイを持ってきても大丈夫なのだ。
真希はケータイの画面を私に見せて、満面のえみでこう言った。

「好きな歌手のライブ、今度あるんだけど、一緒に行かない?」

ケータイの画面には真希の好きな歌手がうつっている。
しかし、その下のライブの日にちが、テスト前日だったので私は首を横にふった。

「私はいいや、テスト前日だし」

「えー!?テストなんて大丈夫だよ、一緒に行こうよ!」

真希はそう言うが、私はテストでいつも学年1位の真希ほどかしこくはない。前日にライブに行ったら、テスト返却日に地獄を見るだろう。

「真希も、ライブに行ったら学年1位にはなれないよ」

「そっか‥‥‥‥‥‥親に怒られる」

真希は悲しそうな顔でそう言うとケータイを制服のポケットに入れた。
私は真希を慰めながらも、テストのことを考えると頭が痛くなった。