大人オリジナル小説

Re: 死んでもいいかい? ( No.13 )
日時: 2012/11/29 16:25
名前: カナリア ◆StaIqxr34U

朝、目が覚めると自分の手首を見て、またやってしまったと思った。繰り返される後悔と、傷ついていく私。いつからリスカをしはじめたのか、あまりはっきりと覚えていないが、最初にリスカをした私をひどくうらむ。
パッとカーテンを開け、清々しい朝をむかえたが、私の心にはずっと雲がかかっている。このままだと一生、太陽の光を浴びることは出来ないだろう。
カーテンを開けたまま、私はリビングへむかった。いつもと同じ食パンにヨーグルトを食べる。やはりこのジャムは微妙だと思いながらも、食パンをすべて食べ終えた。今日は何も入っていないヨーグルトをゆっくりと食べると、また自分の部屋へ戻った。
ケータイの着信履歴を見ながら、学校の準備を簡単におわらせた私は、かばんを持って家を出た。
マフラーを出すべきだった、と思いながらも少し早足で駅へむかった。
中学生の頃の友達は、赤のチェックのスカートと、少し大きなリボンが特徴のかわいらしい制服を着て違うホームへ走って行った。
すれちがう時に何も話しかけられなかったのは、急いでいたからではなく、私が嫌いだからだろう。
暖房の効いた電車に乗ると、私はかばんから小説をだして読んだ。最初はまわりの音が邪魔だったが、読んでいると集中し、まわりの音も気にならなくなった。
学校付近の駅につくと、私は小説をかばんの中に押し込んで電車をおりた。外の空気はとても冷たく、さっきまで晴れていた空は雲以外には何も見えない。
大きくため息をついたが、白くなったその息が、どれほど寒いかをものがたっていた。
駅を出ると、学校へ早足でむかった。
教室は、人が密集しているからなのか、外とは温度差があった。
私の机の横には真希の姿が見えた。

「おはよう真希」

「おはよう梨乃」

いつも通りの朝のあいさつのあとは、真希とガールズトーク。中学生の頃憧れていた朝を毎日のように過ごせている。とても幸せだったが、もうこれ以上望まないとまでは、言えなかった。