大人オリジナル小説

死んでもいいかい? 【いじめ】 ( No.2 )
日時: 2012/11/22 20:15
名前: カナリア ◆StaIqxr34U

 第一章   いじめ

とても寒い日だというのに、私は夏用の体操服でグラウンドの真ん中に立っていた。風がとにかく冷たく、死んでしまうのではないかと思うほどに寒かった。
そんな私の姿を見て、小市叶恵は笑っていた。とりまきたちと偉そうに叶恵は笑うが、何がそんなに面白いのか、理解できる人は頭が狂っていると思う。そう、小市叶恵は私、畑野枝沙夜をいじめているのだ。

「沙夜ちゃ〜ん、寒い?」

ふざけた口調で私にそう聞いてきた叶恵は冬の制服にジャンバーという、とてもあたたかそうな服を着ていた。
なぜ私がこんなに寒そうな服装なのかは、だいたいわかるだろう。小市叶恵がそうさせたのだ。

「早く冬用の制服、着たい?」

私を蹴りながらそう聞くとまた笑う叶恵。そんな時何をするべきかはわかっている。お願いするのだ。逆らったりして、ずっと寒くて震えているよりは、頭を下げる方がましだろう。

「お願いします」

私が頭を下げると叶恵は私の制服を投げた。その制服は私の頭に当たり、叶恵はまた笑ったが、寒くなってきたのか校舎の中へ入っていった。
グラウンドにはまたとても冷たい風が吹き、落ち葉をグラウンドの片隅へと運んでいた。私は涙を必死にこらえて校舎の中へ入っていった。