大人オリジナル小説

死んでもいいかい? 【リストカット】 ( No.8 )
日時: 2012/11/22 20:58
名前: カナリア ◆StaIqxr34U


 第二章   リストカット

中学生の頃、私はつねにカッターを持ち歩いていた。それはもちろんリストカット用のカッターだ。しかし、友達にそれがバレると、「水谷梨乃はリスカしてる」といううわさが広まった。
高校生になり、再スタートをした私は、カッターを持ち歩くのはやめた。
しかし、リストカットはまだ続いている。頑張ったらやめれるようなものではないのだ。
少しのことでリスカしてしまう。こんな私をこれからずっと、一生、かくして生きていくのだ。

「‥‥‥‥‥‥なんで、リスカは悪いことみたいに思われるの?」

誰もいない、私1人の部屋でそうつぶやくが、もちろん返事はない。
考えだすと止まらなくなる。そして、やがてカッターをにぎる。こぼれる涙と一緒に赤い血が流れる。
少し時間が経つと後悔するのだ。なんでまたしてしまったんだ、と。
繰り返される後悔と、増えていく傷跡は、いつまでも続くのだろう。
私は涙をふいて、流れる血を止めた。
ケータイには真希からのメール。私は適当に返信すると、大きなため息とともにベットへ倒れ込んだ。
真希とは、親友と言ってもいいほど仲が良かった。しかし、だからと言って、リスカのことを話す気はない。また繰り返したくないのだ。

「‥‥‥‥‥‥結局、私は真希のこと信じてないってことでしょ?」

そうつぶやくと、ゆっくり目を閉じ、そのまま眠った。