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番外編　「とある少女の話」

「貴方は私の大切なものまで、平気な顔して奪っていくんですね」

　私が貴方を憎んでいなかったといえば、それは嘘になります。
　不思議ですね。あれほど貴方の事が好きだったのに、こんな感情を抱くなんて。
　貴方は私なんかよりもずっと人気者で、賢くて、美人で……そんな完璧な人です。
　私が貴方と同じ様な能力を持っていたならば、こんな感情は抱かなかったでしょう。
　全ては、醜くて汚い私が招いた事です。私に貴方を責める権利はありません。
　そうだと分かっていても、私は貴方に嫉妬してしまいます。憎いとも思ってしまいます。
　こんな私を許して、なんて事は言いません。ただ、これだけは覚えていて下さい。

　私は一生、あの事を忘れません。