大人オリジナル小説

Re: 【壊れた教室】そこに居たのは、 ( No.47 )
日時: 2014/02/17 15:03
名前: 杏香 ◆A0T.QzpsRU

第三章「2人の私」

 幾度となく繰り返される、言葉の暴力。まるで呼吸をするかのように、それは自然な事となっていた。
 あの人達はもう、罪の意識など感じなくなっているのだろう。
 そして、今日もまた始まるんだ。いじめという名の"犯罪"が――。

「あいつ、何で今日も学校来てるの? 超意味分かんないんですけど」
「あはは、結花言えてる〜!」
「……でもさ、聞こえるよ? いいの?」
「いいのいいの。だってあいつがウザいのは元からじゃん」
「ちょっとー、本当の事言うの辞めなって〜」

……そんな会話の後に響くのは、下品な笑い声。
 誰もそれを、咎めたりしない。それはもはや、この教室では当然となっている事なのだから。

――あの子は今日も、いじめられています。
 私に、それを止める術などありません。ただ見ているだけ――そう、見ているだけなのです。
 それが最低だと言う事も、分かっています。でも……今の私には、何も出来ないから。