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第二章 第一話 最初のはじまり


｢藍那、もう帰ろう!｣

短い沈黙の後口を開いたのは、皇女。

｢だね。紗里亜、明日から覚悟するんだよ｣

紗雪が、私をにらんでくる。

何で?

みんな、希のこと、好きなの?

｢当たり前じゃん。のんちゃんは、みんなに愛されてるんだよ｣

｢希って、人気者!?やった!みんな、帰ろうよ｣

私は、少し遅れて帰った。

次の日の朝。

気が重い。

でも、いつもどおり行こう。

もしかしたら、気分的なものかもしれない。

｢あっ!｣

藍那が私を見て言う。

良かった…ちゃんと、居場所ある…………。

｢のんたん、あのさ…｣

藍那は、私の前を通り過ぎた。

｢あはは…皇女、おはよ｣

｢紗雪〜!おはよう!!｣

…………居場所がない。

これって、もしかして、もしかすると、いじめの第一歩、的な感じ?

｢うっす…て、あれ?月留は?｣

あぁ…私の惨めな姿を、見られてしまうの?

｢聖堂、ちょっといらっしゃい｣

…え?

藍那の口調が変わってる。

これって、もしや、スイッチ入っちゃった?

藍那は、昔から、スイッチが入るとお嬢様口調になり、暴力も暴言も容赦ない。

｢分かったわね?協力してちょうだいね…｣

それを見た聖堂は、舌打ちをすると、藍那たちから離れた。

｢邪魔だ。どけ｣

聖堂の口調が変わった。

はぁ…私、寂しがり屋だからなぁ。

こんなに、みんながニヤニヤと、私のほうを見てる。

最初の一日は、無視で終わった。