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第三話 希と紗里亜の格の違い


｢皇女、次の時間、体育だね｣

｢うん。てか、体育のセンコーうざいね｣

藍那と皇女は楽しくしゃべっている。

少し前は、私もあそこにいたのに…。

そんなことを思いながら、教室を出た。

仲良かったほかのクラスの子も、今ではすっかり藍那たちの味方。

｢こら、教室にいないとだめでしょ〜?｣

あの、甘ったるい声がする。

希…何でここに?

｢そんなことはどーでもいいんだよぉ♪それより、早く教室に戻って、アイニャたちと遊ばなきゃぁ!｣

おい、アイニャってキモすぎるでしょ…。

｢遊ぶことなんてないよ!｣

｢あはは、そーかな?でも、あなたが嫌でも、遊んであげるのが奴隷の仕事?かなぁ｣

いつから奴隷になったの…。

｢あ、よぉく考えたら、こんなのと話してる暇ないんだよねぇ、そーだった!あはは。素敵なカレが待ってるからぁ〜｣

え?

希なんかに彼氏がいるわけ!?

私なんか、聖堂に嫌われていじめられて…。

希より、私のほうが上なのに。

私より不細工だし私より成績悪いし私より運動できないし 私より私より私より!!!!!!!!

｢さーりあー!｣

｢ねえ、藍那お嬢様が退屈してらっしゃるよ?｣

｢お嬢様…って…わ、私じゃなくて?｣

とうとう言ってしまった。

｢前はね。でもね、今は違うんだよ?みんなの人気者をいじめるお嬢様なんか、お嬢様失格だもん｣

｢さすがね!では、いらっしゃい、ダメお嬢様｣