大人オリジナル小説

Re: いじめられて〜お嬢様、だったのに〜【コメ歓迎参照100突破】 ( No.29 )
日時: 2013/01/26 21:31
名前: 如月うさ ◆qvf.IClkDc

そんな、嫌ったような目で見ないで。

強がった言葉、慰める心の裏には弱い自分が隠れている。

慰めて欲しくて慰める。

いつしか、傷付いた人のオアシスになっていた。

自分のことを俺というのも、男言葉を使うのも、心に防波堤を張っている印。

私は…私は、紗里亜に、好きになって欲しい。

私は、わかるよ。

いじめられていた気持ち。

「このゴミ!出て行けーっ!」

逃げたら、笑われた。

「弱虫!明日、学校来てね?」

行ったら、叩かれた。

「お前なんか、存在意義ねーよ」

泣いたら、写真を撮られた。

「わーっ!泣いてる、弱いな」

平気なふりをしたら、噂された。

「あのゴミ、強がってる。バカだなぁ」

何をしても、笑われたりにらまれたり、どうすることもできなかった。

「あら、あなた。5組の初音さんですわね?」

私は、その子をオジョウと呼んだ。

オジョウは、私と仲良くしてくれた。

いじめた人を、怒ったりした。

オジョウを怖がって、いじめはなくなった。

「ありがとう、オジョウ!」

「いいのよ。あなたとわたくしは、友達ですのよ?」

「うん。ねえ、今日、私の家に来て!」

「いいですわ」

オジョウは、来なかった。

「オジョウ、約束破った…」

待っていたけど、いつまでも来なかった。

「初音!仲良しの―――ちゃん、交通事故で死んだの…」

「え、オジョウが…」

私は、それから、あんなふうになった。

紗里亜に、オジョウになってもらいたくて、あんなことを言った。