大人オリジナル小説

Re: 過去という名の鎖 ( No.17 )
日時: 2014/03/18 10:12
名前: 雅 ◆L5jDasJqg6




ー第2章ー


ー部活ー


連休が明けた月曜日。
入学式が木曜、次が金曜だったため土日を挟み。

今日から本格的に高校生活が始まる。
普通に授業を受けたり、普通に弁当を食べたり、

普通にみんなとお喋りしたり。


「あ!そうだ!茜茜〜!!!」

「ど、どうした??」


そして今日の朝、一限がはじまる前、あたしが教科書を整理していると
篠塚さんと話していた琴があたしの方へ向かって来た。

それに安堵したのは無意識で。


「あたしね!部活入ろうかなって思ってるんだけどね!」

「ぶ、部活?」

「先週茜が用事で帰っちゃったから、その間に見てきたの!」

「先週…あっ…」


先週と聞いて、不意に館野さんを思い出した。
チラッと彼女を視界に捉えると、別に誰と会話することなく一人本を読んでいた。

…館野さん、あの日のことなんて思ってるんだろう。


「…?茜?」

「あっ!ごめん!…なんの部活入ったの?」


もう館野さんのことはよそう。
いつまでも引きずってちゃ、せっかくの高校生活、楽しめないもの。

彼女が言った言葉も…気にしない。


「バスケだよ!!」


と、楽しげに話す琴。
それを見てるとあたしも自然と笑顔になった。


「いつからするの?」

「まだ見学しか行ってないし、本格的な募集もまだらしいからそれがはじまってからかなー。今週は様子見かな?まだ高校にも慣れてないし、そっちからだね!」

「そっか!あ、唯菜は入るの?」

「唯菜どうだろー!唯菜ー!!!」


琴が後ろの壁側で他の子達2人と雑談していた唯菜を呼んだ。
唯菜はすぐに此方を振り向く。


「なにー?」

「唯菜部活入る?」

「琴ナイスタイミング!今ちょーどその話してたんだけど!ね!」

「だね!」

「そうそう!」


どうやら唯菜達も部活の話をしていたようで。
琴が「そーなの?」なんて言って笑っている。

すると琴はあっ、と言って唯菜達に近づいた。


「はじめましてだね!あたし水原琴です!よろしくね!」


琴が唯菜と喋っていた2人に自己紹介をし始めた。
それに答えるようにその2人も。


「ウチは七瀬友梨(ななせゆり)。よろしく!」

「あたし野江彩華(のえさいか)!水原さんよろしく!」

「琴でいいよ!茜も言いなよ!」


言うタイミングが分からず黙っていたあたしに琴がタイミングをつくってくれた。
それに感謝しながらもあたしも自己紹介をした。


七瀬さんは前髪を編みこみ、
右耳にかけピンでとめていてセミロング。
肌がとにかく白い。

野江さんはショートのボブヘアー。
地毛か、髪は茶髪が目立つ。


2人は唯菜と中学校が一緒らしく、仲がいいらしい。



中学校から一緒か…。
普通なら嬉しくて、仲良くて、楽しいんだよね、


でもあたしは″普通″じゃなかったから…


彼女達3人の気持ちにはなれないだろうなーーー…