―弁当―
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キーンコーンカーンコーン
「…はい、じゃあこれで終わります」
「起立、礼…
「「「ありがとうございました」」」
一限の授業から始まり。
先週決まった学級委員の号令を合図に、
ようやく四限目の授業が終わった。
「っしゃー!終わったー!」
前の席でぐーんと大きく背伸びをする唯菜。
確かに初日は凄く長く感じたなあ。
「やっと終わったねー茜!」
「うん…疲れたね!」
教科書を片付けながらあたしに言葉を投げかける琴。
あたしもゆっくりと教科書を机にしまう。
「唯〜!ご飯食べよ!」
すると、今朝少し会話をした唯菜の友達、
…えっと…ボブヘアーの子…あ、野江さんだ。
野江さんが弁当を片手に唯菜の席へ近づく。
“唯”と独特な様子で愛称を呼ぶのは、野江さんと、あともう一人七瀬さんしかいないだろう。
四限が終わったため、次は昼休み。
去年中学校までは給食があったため、これから当番の人が急いで準備したりしていたんだっけ。
高校生だから給食なんてなくて弁当に変わる。
「あ、そっか!もう弁当じゃん♪食べよ!」
唯菜が鞄から弁当をとり立ち上がろうとした、
と、同時に
「琴ー、一緒に食べない?」
琴の友達の篠塚さんが自席から呼びかけた。
「食べる食べる!どこにする?」
「私の席でいいよ!」
琴は篠塚さんと食べるみたい。
あたしも鞄の横にかけているランチバッグを手にとり
立ち上がろうとしたとき…ふと気づいた。
あ、、、あたし、誰と食べるんだろ…
唯菜はきっとあの2人と食べるだろうし、
琴も篠塚さんと食べる様子だった。
あたしはてっきり3人で食べるものだと勝手に思い込んでいた。
だから、こうなるなんて予想しておらず。
それに予想通りにいかなくても、声かけて、一緒に食べたいって言えばいいのにそれすらできないなんて。
断られたら?嫌な顔されたら?なんて不安がよぎる。
…でもそのあとすぐに不安はあっさり消えた。
「茜も一緒に食べる?」
と。
琴が振り向いてあたしに声をかけてくれた。
「い…いいの?」
「何言ってんの!友達じゃん!」
純粋にうれしかった。
琴と友達になれてよかったと改めて思った。
そしてそのあと、唯菜達も誘い、結局はあたし、琴、唯菜、それから篠塚さん、野江さん、七瀬さんと6人で食べることになった。
篠塚さんと野江さん、七瀬さん、唯菜は初対面だったためそれぞれ自己紹介をしていた。
―――そんなこんなで昼休みも終わり、
午後の授業も受け、今日の一日を終えた。