大人オリジナル小説

Re: 過去という名の鎖 ( No.20 )
日時: 2014/03/22 19:50
名前: 雅 ◆L5jDasJqg6




―弁当―


―――――
―――



キーンコーンカーンコーン




「…はい、じゃあこれで終わります」


「起立、礼…

「「「ありがとうございました」」」


一限の授業から始まり。

先週決まった学級委員の号令を合図に、
ようやく四限目の授業が終わった。


「っしゃー!終わったー!」


前の席でぐーんと大きく背伸びをする唯菜。
確かに初日は凄く長く感じたなあ。


「やっと終わったねー茜!」

「うん…疲れたね!」


教科書を片付けながらあたしに言葉を投げかける琴。
あたしもゆっくりと教科書を机にしまう。


「唯〜!ご飯食べよ!」


すると、今朝少し会話をした唯菜の友達、
…えっと…ボブヘアーの子…あ、野江さんだ。
野江さんが弁当を片手に唯菜の席へ近づく。

“唯”と独特な様子で愛称を呼ぶのは、野江さんと、あともう一人七瀬さんしかいないだろう。

四限が終わったため、次は昼休み。
去年中学校までは給食があったため、これから当番の人が急いで準備したりしていたんだっけ。
高校生だから給食なんてなくて弁当に変わる。


「あ、そっか!もう弁当じゃん♪食べよ!」


唯菜が鞄から弁当をとり立ち上がろうとした、

と、同時に


「琴ー、一緒に食べない?」


琴の友達の篠塚さんが自席から呼びかけた。


「食べる食べる!どこにする?」

「私の席でいいよ!」


琴は篠塚さんと食べるみたい。

あたしも鞄の横にかけているランチバッグを手にとり
立ち上がろうとしたとき…ふと気づいた。



あ、、、あたし、誰と食べるんだろ…


唯菜はきっとあの2人と食べるだろうし、
琴も篠塚さんと食べる様子だった。

あたしはてっきり3人で食べるものだと勝手に思い込んでいた。
だから、こうなるなんて予想しておらず。


それに予想通りにいかなくても、声かけて、一緒に食べたいって言えばいいのにそれすらできないなんて。
断られたら?嫌な顔されたら?なんて不安がよぎる。



…でもそのあとすぐに不安はあっさり消えた。


「茜も一緒に食べる?」

と。

琴が振り向いてあたしに声をかけてくれた。


「い…いいの?」

「何言ってんの!友達じゃん!」


純粋にうれしかった。
琴と友達になれてよかったと改めて思った。

そしてそのあと、唯菜達も誘い、結局はあたし、琴、唯菜、それから篠塚さん、野江さん、七瀬さんと6人で食べることになった。

篠塚さんと野江さん、七瀬さん、唯菜は初対面だったためそれぞれ自己紹介をしていた。





―――そんなこんなで昼休みも終わり、


午後の授業も受け、今日の一日を終えた。