―初日―
家から徒歩で15分と非常に近い高校。
逆を言うと中学校の方が自転車で40分と遠かった。
その高校にしたのも第一の理由は「家が近いから」
なんて単純な理由。
学力もそこそこで中の中くらい。
――――…
暫く歩いていると、あたしと同じ制服の生徒がチラチラと見えてきた。
…あの中にあたしと同じクラスになる子がいるかもしれないんだ。
―――ピタ。
ようやく足をとめた。
目の前には、
あたしが今日から通う城ノ宮高等学校。
校舎も綺麗で、本当に普通の高校。
よし…。
今日から頑張ろう。
クラスが気になるあたしは早足でグラウンドを抜け、クラス表を見にいった。
ちなみにこの高校に中学の知り合いはいない…と思う。
分からないけど、あたしの家は前の中学校から結構距離があった。
そしてその遠い距離、自分の家から近い高校を選んだ。
だから多分いないと思う。
私的にはいない方が嬉しいけどね、、
人ごみの多い玄関を割り込みながら自分のクラスを確認した。
「1年…2組」
クラスだけを確認すると新しいスリッパに履き替え、教室に向かった。
メンバーなんかみても誰も知らないから意味ないしね。
1年は1階で6組まである。2年が2階で3年が3階らしい。
色も決まってて、下から順に赤、緑、青。
―――ガラガラー
新しいクラスの扉をゆっくりと開けた。
中には結構人がたくさんいて、逆に目立った。
クラスの人たちが一斉にあたしを見た。
でも、それは一瞬だけですぐに視線はずれた。
自分の席を確認し座った。
牧野だったから後ろらへんで、廊下側から2番目の列の後ろから2番目だった。
カタン…と静かに席に座った。
あたしの前後は2人も女子で内心ホッとした。
万が一の場合、話せる人がいなかったら不安だから。
それにしても…、
「アハハハ!!!」
「よろしく〜!」
「おーよろしくなー」
意外なことに教室はガヤガヤしていた。
元から知り合いなのか、今友達になったのか、入学式にも関わらず騒がしかった。
遅れをとらないように誰かに喋ろうとしたんだけど…、
前の子はその前の子と喋ってて、右は男子で、左は誰もいなかった。
後ろは後ろで振り向く勇気なんかない。
もともと人見知りなあたしは自ら喋りかけるなんてできる訳がない。
もしかして登校初日で失敗…?
なんて不安が溜まっていた時、
ポンッ
後ろから肩を叩かれた。