大人オリジナル小説
- Re: 校内格差、【オリキャラ募集】 ( No.11 )
- 日時: 2013/03/22 11:19
- 名前: 村雨 ◆nRqo9c/.Kg
三時間目、歴史の授業。
教科担任は校内でも恐いと有名な斉藤先生。気まぐれで目に付いた人を当てるから、あまりぼうっとしていられない。皆、ノートにペンを走らせている。いつもは不真面目な有明も、ちゃんと授業を受けている。
やっぱり一番後ろの席は良い。クラス中が一発で見渡せて。
あ、授業を真面目に受けていない人が一人いた。
瀬名巧(せな たくみ)。教卓の真ん前の席で堂々と机に突っ伏して爆睡中。この人はいつもこうだ。勇気あるなあ。
授業中はノートを綺麗にまとめることに集中し、休み時間は礼奈やメグたちとの会話に華を咲かせる。そうしていると案外忙しいもので、あっという間に時間は過ぎていった。
そして帰りのホームルーム。席替えのあみだくじが回ってきた。直感で空いているところに名前を書き、次の人に回す。席の発表は明日らしい。
-
部活が終わった。もう六時三十分だ。
吹奏楽部の練習は意外とハードだ。文化部の中では断トツなのではないかと思う。私は楽器を片付け、同じ部の子たちと少しの間雑談をしてから学校を出た。
この頃は徐々に日が長くなってきた。それでもまだ辺りは薄暗い。私は一人、足早に家路を急ぐ。
道端でたむろしている高校生たちの横を通り過ぎた。何がそんなに楽しいのか、大声で阿呆っぽく騒いでいる。
あ、でも学校での私は、傍から見ればあの人たちと大して変わらないのかも。
たむろしている高校生に目をやる。皆、心の底から笑っているように見えた。────いや、私とは違う。
愛想笑いして、人と話をあわせて、無駄に気を遣って。
そんな自分がどうしようもなく嫌になる。やだやだやだ。馬鹿みたい、私。
なのに、止められない。きっと明日になれば、またいつも通りの嘘の笑顔を振りまいているのだと思う。
だって、また元の暗い自分に戻るのはもっと嫌だから。
いつも下を向いて、いるのかいないのか分からない状態で、いじめの標的になるかならないかのところでびくびくして、ただ平和に何事もなく過ぎるのを待つなんて。