15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

奈々の話が長くなりそうなので、先にルカの過去やります!!

ルカの過去　仮面家族

俺は、母親と血がつながってない。
本当の母親は、俺が5歳の頃に死んだ。癌だった。
母が最後に遺した言葉。

「ルカ。愛してるわ。ママはいつでも、貴方を見守っているから……強い子になりなさい。そして、愛した子を守ってあげるのよ」

そう遺して、母は天国へ旅立っていった。
そしてその一ヶ月後。
父親は新しい母親ーー優香さんを連れてきた。
「お母様」なんて呼ぶ気は無かった。
でも、優香さんは「お母様」と呼ぶと喜ぶし、色々とやりやすいからーー「お母様」と呼んでいる。
優香さんが俺に向ける笑顔は偽りだと知っているし、俺が優香さんに向ける笑顔も偽りだ。
親父が俺に向ける笑顔も偽りだし、当然俺もそうだ。
唯一本物なのは、親父が優香さんに向ける笑顔と愛情だけだ。
優香さんには、別の恋人が居ると俺は知っている。

まるで、『仮面家族』だ。

笑顔の仮面を被り、『家族』という枠の中で日々、過ごしている。


この笑顔は全て、偽りだーー