大人オリジナル小説
- Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!】 ( No.21 )
- 日時: 2013/04/28 18:47
- 名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk
5話 決断
「ねぇ、先生をいじめない?」
ーー放課後。
5年A組には、ほとんどの生徒が残っている。
「『いじめ』は嫌」
私は、首を振った。
「私は、『復讐』がしたいのよ」
「……綾乃……?」
私の名前を呼んだのは誰?
「『復讐』って一体……?」
奈々ちゃんが、首をかしげる。
「口外しないって約束できる?」
「約束する」
奏が頷く。
「ありがとう、奏。皆は?」
私がクラスを見回すと、皆は頷いていた。
「良かった。なら、話すね」
私は、深く息を吸った。
「私にはね、双子の妹が居たのーー」
2年前の冬。
私達は、1人の教師に出会った。
転校した学校は、とても小さくて。
1学年1クラスしか無かったわ。
当然、私と妹ーー雪乃(ユキノ)は同じクラス。担任は、宮本篤司ーー。
私達は、いつも一緒だった。
だからこそ、気づけなかったのかもしれない。
あの男が……宮本篤司が、雪乃に執拗なストーカー行為をしていたことを。
雪乃は、いつも笑っていた。
あの男の前でも。両親の前でも。
私の前ですら、素顔を見せてはくれなかった。
私が異変に気づいたのは、あいつがストーカー行為を働いてから1ヶ月後。
あの子はどんどんやつれていった。
食事もとらなくなり、部屋に閉じこもり、目も合わせてはくれなかった。
あいつがストーカー行為を働いてから1年後……
雪乃は、眠るように亡くなった。
私達家族は、逃げるようにその地を去ったわ。
奏と別れ、友人達と別れ。
宮本篤司とは、もう会うことはない……そう思ってた。
転校してきた学校で、再びあいつと出会うまでは。
あいつは気づいてないでしょうね。
あの男は、雪乃しか目に入っていなかったもの。
「佐々木綾乃」という名前を聞いても、微動だにしなかった。
だから、復讐するのよ。
「雪乃を殺した人間が、のうのうと生きていて良い筈無い!!」
涙が、ぽろぽろと床に落ちる。
「明日は、雪乃の命日ーー」
歯を食いしばり、立ち上がる。
「復讐を、始めましょう」