大人オリジナル小説

Re: 学級崩壊【クライマックス&参照1100突破!】 ( No.211 )
日時: 2013/08/07 15:05
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk

37話 思い出作り 前編

「ルカー、渡辺ー、遅いー!!」
「お前等が早いんだよ」
渡辺は、私と麻里乃ちゃんを見る。
私はそれを無視し、麻里乃ちゃんを見た。
「何処行きたい?」
「ピアスみたい!! このピアス飽きた」
麻里乃ちゃんは、ハートの華奢なピアスをほら、と見せる。
「私も穴開けようかなー」
イヤリング飽きた、と私は呟く。
「開けようよ!!」
「うん、じゃあ開けようかな」
私は微笑んだ。
「じゃあ急ごう!!」
麻里乃ちゃんは私の手を引き、アクセサリーショップへと走り出した。
「待てよー!!」
私達を、ルカと渡辺が追いかけた。


「どのピアスが良い?」
「んー……」
悩んでいると、のしっと肩に重みがかかる。
「俺も開けようかな」
ルカが肩に乗っかっていた。重い。
「俺も」
渡辺は店内を見渡す。
「谷山。オススメとかある?」
「あ、渡辺くんならこれとか良いんじゃない?」
麻里乃ちゃんは、黒のスターピアスを指さした。
「あ、これ良いかも」
「でしょぉ!! 渡辺君に似合いそう!!」
「確かに。渡辺に似合いそう」
「剣に似合うかもな」
私達は同意する。
「じゃあ、俺はこれにしようかな」
渡辺はそのピアスは手に取った。
「綾乃ちゃんならこれが良いんじゃない?」
麻里乃ちゃんは、ピンクのスターピアスを指さした。
「可愛い!! これにするー!!」
私はそれを手に取った。
「荒川くんならこれかなー」
麻里乃ちゃんは水色のスターピアスを指さした。
「あ、これ良いかも。綾乃のとも似てるし」
「だからこれを選んだのよ。皆でおそろいにしようと思って」
「ナイス判断」
えへへ、と麻里乃ちゃんは笑う。
「麻里乃ちゃんならこれかな?」
私は黄色のスターピアスを手に取った。
「麻里乃ちゃんって黄色のイメージがある」
向日葵のように明るくて、優しい。
それが麻里乃ちゃんだった。
「じゃあ、あたしもこれにする!!」
麻里乃ちゃんは、微笑んだ。

「きゃー、可愛い!!」
麻里乃ちゃんは、悲鳴を上げる。
「本当可愛い!!」
両耳にさりげなく付けたスターピアスは、とても可愛かった。
「でも、痛いな」
「確かに」
男2人は顔をしかめた。
「可愛さのためなら痛さなんて別に良いじゃない。ねぇ?」
「うん!!」
麻里乃ちゃんの言葉に私は同意した。

「あ、プリクラ撮ろー!!」
「撮ろう撮ろう!!」
私は麻里乃ちゃんとゲームセンターの中に入っていく。
「俺等はいいよ。なぁ、剣?」
「ああ」
「そんなこと言わないの!! 記念だよー!!」
私はルカの腕に飛びつく。
「ねー、ルカ〜!! 良いでしょ?」
「……綾乃が言うなら」
ルカは渋々プリ機の中に入っていく。
「ほら、渡辺くんも!!」
「しゃーない、行くか」
渡辺も麻里乃ちゃんに引きずられ、プリ機の中に入っていく。
私はそれを追いかけた。

「背景をえr……」
麻里乃ちゃんは、機械が言い終わらないうちにすごい早さで背景を6枚選択していく。
「目の大きさと肌の……」
白さを選んでね、と言い終わらないうちに美白と一番大きな目を選択。
「早っ!!」
クスリと私は微笑む。
「さん、にー、いち!!」
私は笑顔を作り、両手ピースをした。
麻里乃ちゃんも笑顔で両手ピース。男2人は片手ピース。

麻里乃ちゃんは、私に抱きつく。私も麻里乃ちゃんに抱きついた。
フラッシュが光り、4人の笑顔が1枚のプリクラに収まった。

『大好き』『ずっと友達』
ありきたりな言葉をプリクラに書き込んでいく。


「2人で撮ろう」
ルカは私の手を引き、プリ機の中へ入って行く。
「うん!!」
私は微笑んだ。
「あたしらも撮ってくるねー!!」
麻里乃ちゃんが、渡辺を連行していくのが見えた。
その姿は、とても幸せそうだった。

さっきと同じような手順で、色々と選択し、写真を撮っていく。
「ルカも落書きしよう」
「ああ」
私はさっきと同じように、同じような言葉を書き込んでいく。
私は小さく、『忘れないでね』と書き込んだ。
ずっと、この幸せが続いて欲しいと願った。
時なんて、過ぎ去って欲しく無いと。
そう願った。