大人オリジナル小説

Re: 学級崩壊【クライマックス&参照1100突破!】 ( No.229 )
日時: 2013/08/13 00:41
名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk

39話 思い出作り 後編

「別行動、してみないか?」
渡辺が、楽しそうに言った。
「俺も言おうと思ってた」
ルカが笑う。
「(麻里乃ちゃん、大丈夫?)」
「(だいじょばない)」
麻里乃ちゃんは首を振る。
「(でも、頑張ってみるよ)」
「(……言い寄られたら携帯鳴らして。助けに行くから)」
「(うん)」
私達は頷き合うと、微笑んだ。
「行こ、ルカ。……渡辺。麻里乃ちゃんに手出したら殴るだけじゃ済まないから。覚悟してて。麻里乃ちゃん、気をつけてね」
「うん!! じゃあ、また後でねー!!」
私は微笑んだ。
「行こう、綾乃」
「うん!!」
ルカの差し出した手を握り、微笑んだ。
何をするか楽しみだったけど、もうすぐこの温かくて大きい手が離れてしまうのが怖かった。


ルカは、アクセサリーショップに入る。私も、それに続いた。
「いらっしゃいませ、ルカ様。ご注文頂いたものはできあがっております」
「ああ、ありがとう」
ルカは微笑み、小さな箱と細長い箱を受け取った。
「なにそれ?」
私は首を傾げた。
ルカは小箱をポケットに入れ、微笑んだ。
「綾乃に誕生日プレゼント。まだ、あげてなかったから」
ルカは小箱を開け、華奢なネックレスを取り出した。
「6月11日の誕生石・ホワイト・ラブラドライト」
「綺麗……」
それは太陽の光を浴びて、白く美しく輝いていた。
ルカが、首に付けてくれた。
「ありがとう、ルカ。すごく嬉しい!! 誕生日、期待して……あ……」
ルカの誕生日は1ヶ月後。その時にはルカは、ここに居ない……
泣きそうになり、俯く。
「綾乃」
ぽん、と温かい手が頭に乗せられる。
「俺の誕生日、休日だから。会いに行くよ」
「……うん!!」
私は頷き、微笑んだ。
1ヶ月後、ルカになにをあげようか。