2話 訪問者「綾乃ちゃん、大丈夫?」麻里乃ちゃんの声がして、顔を上げる。そこには、心配そうな顔の麻里乃ちゃん。「……大丈夫だよ。ほら、私と話してたら標的になるよ。……早く行って」麻里乃ちゃんは、守りたいから。こんな嫌がらせ、すぐに終わるから。だから……大丈夫だよ。麻里乃ちゃん。「……うん。ごめんね……!!」私は頷き、また机に突っ伏した。大丈夫。こんな嫌がらせ、すぐに終わるから。ねぇ、ルカ。そうだよね……?私は左手のリングを、そっと握った。