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7話　傍観者

「復讐なんかしても、憎しみが増えるだけだろ。虚しいだけだろ」
「……隼人君……」
私の後ろから、声が聞こえた。
そこに居たのは、Ｂ組の池上隼人。
髪は青みがかかったピンみたいな色で、長髪をもみあげ残しポニテにしている。
成績優秀、容姿端麗。
一応男だ。女装癖あるけどな！

「何の用？」
「見に来ただけさ。復讐に溺れる哀れな人間を」
彼は、私の髪を触る。
「なっ……！」
私の顔が、熱くなる。
「俺は関わらないけど。関わりたくもねーけどよぉ」
私を見つめる藍色の瞳は、妖しく光っていた。

「もう、自分に嘘を吐く人間を見たくないんだ」

「それってどういう……！」
彼は私の髪の毛から手を離し、冷たい廊下を歩いて行った。
「隼人君！」
呼んでも、彼は振り向かなかった。

「……何なの？　もう……」

私の頬は熱くほてっていた。


「綾乃！」
奏の呼ぶ声。
「はーい！　今行く！」
私は、復讐へーー汚れた世界へ戻っていく。
この道が間違いだとしても、後悔はしない。絶対に。

「雪乃、見ててね」

復讐を、始めようかーー