大人オリジナル小説

Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!】 ( No.352 )
日時: 2013/09/23 14:36
名前: 藍里四季

14話 電話

会えない辛い悲しい切ない会いたいという言葉が大半を占めている……というか同じことしか歌っていないアーティストの歌が流れる。
「ルカから電話だ」
私は微笑むと、携帯を耳に当てる。
『綾乃?』
大好きなルカの声。
「うん、そうだよ。どうしたの?」
『綾乃のところ、今週の土日新人戦だよな?』
「うん、そうだよー」
『見に行って良いか? というより、行く』
「本当? 来てくれるの!?」
思わず、笑みがこぼれる。
『ああ。絶対行く』
「やったー!!」
私は微笑む。
ニヤニヤしている里山先輩と陽。雷ちゃん。そして他の柔道部員と目が合った。
『今、部活中?』
「まぁね。休憩中……ってところ」
あと一時間は始まりそうに無い。
「あのね、今日は元部長が来たの」
『へぇ。どんな人?』
「優しくて、少し子供っぽいけどいい人だよ」
『良かったな。そろそろ部活の休憩終わるから切るな。じゃあ』
「うん……バイバイ」
思わず泣きそうになり、慌てて通話を止めた。
電話を終えた瞬間が、一番嫌いだ。
切なくて、苦しくて、泣きそうになる。
「泣きそうな顔してますね、綾乃先輩」
「気のせい気のせい。さ、練習は……!!」
ぐいっと腕が引かれたと思うと、私は陽に抱きしめられていた。

「俺、ずっと前から綾乃先輩が好きです」

「なに冗談言ってるの!? 怒るよ!?」
「本気です」
陽の声は、冗談を言っているようには思えなかった。
「……なんて、冗談です。少しは気分、明るくなりましたか?」
体を離して、陽は笑う。
その笑い方はいつもの向日葵みたいな笑い方ではなく、何かを押し殺しているような笑い方だった。
「……陽……」
「なんですか? 綾乃先輩」
必死に笑顔を作っている陽に、そんなことは言えなくて。
私も、笑った。

「……ありがとう、陽」