16話 罪悪感わざと、綾乃先輩を突き放した。綾乃先輩を雷に任せて保健室を出た時、涙が流れてきた。「……綾乃先輩……」ごめんなさい。あのまま一緒に居たら、綾乃先輩を傷つけてしまいそうで。それが、すごく怖かった。女々しいかもしれないけど、俺は綾乃先輩を傷つけたくなかった。傷付く姿も、泣く姿も見たくなかった。「……弱虫だな、俺……」ぐしゃっと前髪を掻き上げる。「とにかく、職員室……」職員室へと向かった。