大人オリジナル小説
- Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!&参照1900突破!!】 ( No.370 )
- 日時: 2013/09/30 10:58
- 名前: 藍里四季 ◆dcuKuYSfmk
17話 休息
「……少し、1人になってくる」
雷ちゃんにそう告げ、屋上に向かって走り出す。
「綾乃先輩!?」
「……もう、頭の中ぐちゃぐちゃ。頭冷やしてくる」
陽、ごめんね。
しばらく、1人になりたいんだ。
「……琴乃お姉ちゃん、奈々……」
2人はここで、何を想ったのだろう。
死ぬ前に、何を考えたのだろう。
「……私、どうすれば良いのか分からないよ……」
涙が、ぽたぽたとアスファルトに落ちる。
「ルカが居るのに、陽のことが好きみたい……
どうすればいいの……?」
『綾乃。それは、恋愛感情? それとも、友達としての「好き」?』
琴乃お姉ちゃんの声が聞こえる。
「恋愛感情、なのかな……?」
『彼と話してて、ドキドキする?』
「……ううん」
ただ、楽しい……ふわふわした気分になるだけ。
「じゃあ、それはきっと……友達としての……」
「綾乃先輩!!」
陽の声がして、振り返る。
「……泣いてるんですか?」
「……私ね、陽のこと……好きだよ」
陽の質問には答えずに、笑顔を浮かべる。
「だって、大切な後輩だもん」
「……そうですね。俺も、綾乃先輩が好きです。大切な先輩ですから」
陽はまた、哀しい笑顔。
「あと少し、出会うのが早かったら……きっと、陽を好きになってたと思うよ」
「あと少し、出会うのが早かったら……俺は、綾乃先輩の彼氏になれたでしょうか?」
「……きっと、なれるよ」
私は、屋上のアスファルトに寝転がる。
「私の双子の妹も、気に入ったと思う」
「……妹さん、居たんですか?」
陽も、私の隣に寝転がる。
「ええ。……今はもう、居ないけど」
ーー雪乃。
貴女は今、何をしていますか?
「……それから、歳の離れた姉も居たわ。この学校の屋上から飛び降りて、亡くなったけど」
「じゃあ、この花は……」
「姉と、私の親友のもの」
私は起きあがり、花に触れる。
「……私の周りではね、よく人が死ぬの。
両親、姉、妹、親友、担任だった教師……
皆、私の前から居なくなるの……」
涙がゆっくりと、頬を伝って流れた。
「……綾乃先輩」
陽が私の頭を撫でた。
「綾乃先輩のせいじゃ、ないですよ」
陽の手は、温かかった。
少しだけ、ルカに似てるような気がした。
「……ありがとう、陽」