大人オリジナル小説
- Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!&2000突破!!】 ( No.389 )
- 日時: 2013/10/04 11:09
- 名前: 藍里四季 ◆wcVYJeVNy.
20話 親友
「綾乃!!」
「ルカ!?」
私はルカに駆け寄る。
「綾乃。会いたかった……!!」
ルカは私を抱きしめる。
「……明日、新人戦だよな?」
「うん、そうだよ」
「見に行くよ」
「なるほど、そのために来たのね」
「ああ」
ルカは頷く。
「ルカ、久しぶりー」
「ああ、剣か。久しぶりー」
2人はハイタッチ。
これが“親友”ってものなのだろう。
「……誰?」
ルカは香奈を見て、首をかしげる。
「日暮香奈。綾乃の親友です」
香奈はなぜか、顔を赤らめていた。
……ルカは渡さないよ?
「えー、綾乃の彼氏ー?」
「うん!! かっこいいでしょー」
「うん!! あー、残念。綾乃の彼氏じゃなかったら奪ってたのに」
「綾乃ちゃんの彼氏じゃなくても奪うでしょう? 貴女なら」
麻里乃ちゃんは笑顔で香奈の心を抉る。
「なっ……!!」
「私の元彼……奪ったくせに」
「あ、そういえば私の元彼も奪われたわ。あー懐かしい」
香奈と仲良く帰っているところを見て、殺意が沸いたことを覚えている。
「女って怖い」
「同感だな」
男2人は、顔を見合わせて頷きあう。
「……香奈。ルカは渡さない」
「じゃあ、奪ってあげる」
「俺は綾乃しか興味ないから」
ルカは私の肩を抱く。
「……ごめん、香奈。やっぱ親友……無理だわ」
何度も香奈を赦そうとした。
完全に赦せた筈だった。
でも、私は……
「やっぱり香奈を……赦せない」
「同感。日暮さんを赦せない」
香奈は唇を噛むと、教室へ戻っていった。
「……香奈……」
ぽろり、と涙が一筋、頬を流れた。
「香奈……ごめんね……ごめんね……!!」
座り込み、流れる涙に身を任せる。
「綾乃ちゃん……」
「……ごめんね……ルカは渡せない……」
「綾乃……」
ルカは、私の頭をなでた。
「帰ろう、綾乃。まだ3時間目だけど」
「帰ろう帰ろう」
私は立ち上がり、涙を拭いた。
「皆、帰ろう」
私は微笑んだ。
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