大人オリジナル小説

Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!】 ( No.39 )
日時: 2013/04/29 06:50
名前: 哀歌 ◆dcuKuYSfmk

12話 風邪

「ルカ!? ルカ!? ルカ!!!」
私は狂ったように、倒れたルカを呼び続ける。
「すごい熱……!」
やっぱり、熱があったんだ。
そうでなきゃ、あんなこと言うはずがない。
「保健室!!」
私は彼をおぶり、走り出した。
※綾乃は女です。

「重かった……」
保健室には、誰も居なかった。
ルカをベッドに寝かせ、ひえぴたを探す。
「あった……!」
少し小さいけど、良いよね。
「少し冷たいけど……我慢しててね、ルカ」
ひえぴたを張ったとたん、ルカの身体が小さく動く。
「う……」
「ルカ!?」
ルカは小さくうめき声を上げ、目を開けた。
「あ、熱はからなきゃ……はかれる?」
手元にあった体温計を、ルカに渡す。
「ボタン……」
ボタンが取れないらしい。
「はいはい」
私がボタンを2つ取ると、彼は体温計を脇に挟んだ。
「あ、お水飲む?」
彼は、コクンと頷いた。
保健室のコップを借り、水を汲む。
「何度だった?」
「38.7」
「……私の家近いから泊めてあげる」
「ああ……」
「喉乾いてない?」
「水頂戴」
彼は、閉じた瞳をゆっくりと開ける。
「起きあがれる?」
「ああ……」
彼は怠そうに起きあがり、私の持っているグラスに口を付けた。
ゆっくりとグラスを傾けると、透明な液体がゆっくりと消えた。
「少し眠ったら、熱も下がるよ」
「ああ。……ごめんな」
「この借りは、返して貰うからね」
「分かってる」
「さぁ、早く寝て。おやすみ」
「おやすみ……」
彼は、ゆっくりと目を閉じた。


「綾乃……」
10分ほど経ち、ルカが私の名を呼んだ。
「ルカ?」
彼は私を捜すように、手を動かす。
「大丈夫。私はここに居るよ」
私は、ルカの手を握った。
彼の手は温かくーーというか熱く。
とても優しい手だった。
私をいじめた人とは思えない程に。

「綾乃……」

眠りに落ちる前、ルカの声が聞こえたうな気がした。