大人オリジナル小説
- Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!&2000突破!!】 ( No.420 )
- 日時: 2013/10/26 12:27
- 名前: 藍里 ◆wcVYJeVNy.
16話 家族
「……お前、デートは?」
「……延期。明日も学校休みなの」
「じゃあ俺も休む」
「荒川財閥時期社長。勉強しなさい」
「……俺が馬鹿なの知ってるだろ?」
「痛いほど知ってる」
ルカは大きくため息を吐いた。
すると、チャイムの音が聞こえ、私は立ち上がる。
「はーい」
「こんにちは。綾乃先輩」
「……陽!?」
ドアを開けたら、笑顔の陽。
「……寒かっただろ。入れ」
「おじゃましまーす」
陽はずかずかとリビングに入ってきた。
「ルカさんに呼ばれて来ました」
「ルカ、先に言ってよ……」
私は頭を抱えた。
「綾乃先輩。明日……どうします?」
「映画観たい!!」
「あ、俺も観たいと思ってたんですよ。なんだっけ……全ては……」
「『全ては君に逢えたから』」
「あ、それだ!!」
陽は笑う。
陽が恋愛ものを好きなんて……以外だわ。
「あー、楽しみー」
私は微笑む。
「彼氏がいる前でそんなこと言って良いのかよ」
不機嫌そうなルカと目が合う。
「信じてくれてるんでしょ?」
「……なんかこの部屋、暑いですね」
「そう? ……あ、ちょっと雪乃のところいってくる」
急に雪乃と話したくなり、和室へ行く。
写真の中の雪乃は、いつものように微笑んでいた。
「……雪乃。私、今は幸せだよ。良い後輩、彼氏、友人がいるもの」
雪乃は何も言わずに、ただ微笑んでいる。
「琴乃お姉ちゃん。私ね? 皆が大好きだよ」
琴乃お姉ちゃんも、ただ微笑んでいた。
生前と同じ、優しい笑顔で。
「お父さん、私は、もう独りぼっちじゃないよ。仲間がいるよ。
だから……安心してください」
お父さんも、笑っていた。
嬉しそうな笑顔を見て、私も嬉しくなった。
「……お母さん。産んでくれて、ありがとう。すごく、幸せだよ……」
しっかりと、家族に手を合わせた。
「……これからも、見守っていてください……!!」
私が息絶える、その日まで。