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2話 嫉妬

麻里乃と一緒に、教室に入る。
ルカの姿。
それとーー勝ち誇った顔でルカにベタベタする同級生。
プチン、と何かが切れた音がした。
「……麻里乃」
「ん?」
「……キレて、いい?」
ボキボキと笑顔で指の関節を鳴らす。
「綾乃、落ち着いて……!!」
「……ルカの馬鹿。馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!!!」
「綾乃……!!」
ルカはベタベタしてくる同級生を突き飛ばし、私を抱きしめた。
「……ごめんな、綾乃。俺……お前の気持ち、なにも知らなかった。なにも分かってなかった……」
ルカは同級生に目を向ける。
「……俺、綾乃をこれ以上悲しませたくないから。デートしないし、付き合わない。もう二度と俺に近づくな」
さっきまで私に向けていた笑顔とは違う、冷たい微笑みで彼女を一括する。
「……っ……!!」
彼女は顔を隠し、教室から出て行った。
「ナオっ……!!」
彼女は、ナオというらしい。
ナオさんの友達らしき人が、私達を睨んで彼女を追いかける。
「……なんか、悪いことしちゃったかも」
「俺、あの女嫌いだから別にいい」
「そっか。なら問題ないね」
「このカップル怖い」
「佐々木とルカだから仕方ないだろ」
隣のバカップルがうんうんと頷いた。

ーー何故か、ものすごく胸騒ぎがした。