大人オリジナル小説
- Re: 学級崩壊【オリキャラ募集中!&2000突破!!】 ( No.439 )
- 日時: 2013/11/10 05:39
- 名前: 藍里 ◆wcVYJeVNy.
4話 包帯
日に日に増える、生傷の数。
包帯の消費量も増えた。絆創膏の消費量も増えた。
持ち物が無くなることも増えたし、制服が消えることも増えた。
麻里乃に協力してもらい、ルカと渡辺にバレないようにしているものの。
「……やっぱ、厳しいよなぁ……」
経済的にも、肉体的にも。
制服が消えるのは痛い。
私は居候の身。
おばさんにこれ以上迷惑はかけられないし。
……バイト、始めようかな。
両親が遺してくれたものがあるけれど、それはなるべく使いたくない。
今はお母さんがこの学校にいた頃に着ていた制服を着ているけど。
新しい制服を買うためにも、バイトしなくちゃ。
そう決意し、トイレに入った。
その瞬間、上から水が降ってくる。
……母さんの制服、濡れちゃった……!!
ーー弾けるような笑い声。
ああ、彼女たちが水をかけたんだ。
そう認識した私は個室から出る。
「……お久しぶり。ナオさん」
「お久しぶり。綾乃さん」
私の身長をゆうに超えている彼女は、私を見下す。
「そんな腐った根性じゃ、ルカを射落とすことなんて出来ないわ。この地球上から一片の細胞も残さず消えなさい」
私は足を庇いながら、教室へ向かった。
「綾乃……!?」
麻里乃が、私の姿を見て驚く。
「……麻里乃、ごめん。もう我慢の限界だわ。母さんの制服濡らされた!!」
私はナオさんの机を蹴り飛ばした。
「……母さんが、大事に着てた制服なのに……!!」
ぽろぽろと涙が流れる。
「……ナオって女だな!?」
ルカが走り出そうとする。
「……私が全部、カタ付けるから。ルカは大人しく待ってて」
「でも……!!」
「……もし勝手に動いたら、別れるから」
ルカを、麻里乃を、渡辺を守りたい。
皆を守るためだったら、私はなんでもすると思う。
大切な人達の為だから。
「……今日は帰るわ。ばいばい」
私は彼らに背を向ける。
そして、荷物を持って歩き始めた。
「あれ、明かりが付いてる」
まさかと思い、家のドアを開けた。
「綾乃ちゃん、おかえり」
「おばさん……!! おかえりなさい!!」
私はおばさんに飛びついた。
「綾乃ちゃん……ずいぶん傷が増えたんじゃない!? 制服も濡れちゃって……!!」
「……色々あってね。制服、乾かさなきゃ……」
制服を脱ぎ捨て、和室に入る。
「……お父さん、お母さん、琴乃お姉ちゃん、雪乃……ただいま。私ね、負けないよ。絶対に、負けないよ。お母さんの制服濡らされた仇は取るからね。絶対に、負けないからね……」
家族に見守られている。
そう考えるだけで、絶対に負けないような気がした。