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19話　恋心

「昴おねーちゃん!!」
清羅お兄ちゃんと話していたとき、昴お姉ちゃんがノックもなしに私の部屋に入ってきた。
「綾乃。ちょっと秋霞さん借りるね」
「了解」
昴お姉ちゃんは、清羅お兄ちゃんを連れて、部屋を出て行った。
部屋に残ったのは、私とルカだけだった。

「……綾乃……」
ルカが、私の名を呼ぶ。
「ん？」
「……好き」
「うん、知ってる」
私は微笑み、ルカのぬるくなったひえぴたを取り替えた。

「私も好きだよ」

……私、今……何を言ったんだろう。

「……は？」
ルカが、布団から起きあがる。
「……なっ……なんでもない!!　忘れーー」
「嫌だ」
ルカの低く、掠れた声が私の耳元で聞こえる。
私の身体を包むのは、熱い熱。
え、待って。
私、今ーー

抱きしめられてる？

「もう一度、言って」
「なっーー」
「言え」
私を抱きしめる力が強くなる。
「今度は、聞き逃さないでよね」
ルカは、頷く。

「私も、ルカがーー」

ｶﾞﾁｬﾘと、部屋のドアが開く。
そこには、渡辺剣と、胡桃ちゃんが立っていた。
「いや、あのーーそういうことじゃなくて……違っ……!!!」
私は必死で弁解するが、ルカは何も言わない。
「ルカ……!!」

「俺、綾乃が好きなんだけど。返事は？　さっきもう一度言うって言ったよな？」
貴方は鬼ですか？
「……本当に最後だからね」
私は、ルカの胸に顔を埋める。

「私も、ルカが好きです」

告白って、こんなに緊張するものだったっけ？
心臓が破裂しそうだよ。

「綾乃……俺も好き。付き合ってください!!」
「ーーはい」

貴方に耳元で囁かれた言葉は、どんな言葉より優しく、甘かった。

私は、幸せでした。