大人オリジナル小説

Re: 少女よ、虐められている事に気づけ! ( No.13 )
日時: 2013/04/17 21:50
名前: ^p^ ◆vMGDUlK0sc

五話『誘惑。』
(陽菜視点)

今は五時間目の体育。
もうすぐ運動会だから、
組立体操の練習アーンドリレーの選手決め。

……何か、不安だ。
不安になってきた。

「陽菜ぁああああっ!!」

「うわあああああああああっ!!!!!!」

いきなり美香が抱きついてきた!
思わず大きい声、出しちゃったよ。

「うわっああっ!そんな声出すとは思わなかったよ!」

「そ、そりゃあそんぐらいの声出すよっ!普通!」

『ピリリリリリッ』

先生の笛が鳴った。

「んじゃ、行こっ!」

「うん!」

私と美香は、走って先生の所まで行き、並んで座った。

「では、今からリレーのチーム決めをします。」

ザワザワ……ザワザワ……
皆が騒ぎ出した。

「陽菜ぁ!あたし、不安だよ。足遅いし……」

「大丈夫だって。自信持ってよ。」

「陽菜は足速くていいよねぇ……」

そんな話をしていると、

「では皆さん、静かに!番号が1から15番までの人は向こうの線の方に並んでください。16から30番までの人はこの線に並んで下さい。」

「あーあ、陽菜、別になっちゃったねぇ。」

「うん、残念。じゃあ、また後でねー。」

私はあっちの線の方へ走った。
そして座った。
列は四列で並んでいる。
一番向こうの奴は……大したことも無い。
二番目に向こうの奴はすごく遅い。
そして隣は……

凛だった。


こいつ、足結構速いのよね。
けど、私には敵わない。

「……ねぇ、陽菜さん?」

いきなり凛が話しかけてきた。

「何よ。」

『パーン!』

『タタタタタタタ……』

順番は、まだまだ回ってこない。
何しろ、4クラスもいるからね。

「賭けをしません?」

「……どんなの?」

「私が勝ったら……あなたは美香と友達をやめて、私達の仲間になりなさい。」

「は?」

え?何で美香と友達やめなきゃいけないのよ。
意味分かんない、こいつ。

「意味分かんない、そんな賭け要らない。それに一方的だし。」

「……ふーん、じゃあ陽菜さんは美香がどうなってもいいんだ?」

「え?」

それ、どういう事よ。

「私達は今、美香をいじめる計画を立てているの。」

「え!?何で美香がいじめられなきゃいけないのよ!」

「だからあなたにも手伝ってほしいと思って。」

「………………」

「でも無理矢理仲間に入れるのも何だし、この競争であなたが負けたら……」

「あんた達の仲間になれ、って事でしょう?」

「そうよ、よく分かってるんですね。」

凛はニヤニヤと笑う。

「……私達の番よ。行きましょう。」

私は言った。
負ける訳には行かない。

「よーい!」

『パン!』

私は走り出した。