大人オリジナル小説
- Re: 少女よ、虐められている事に気づけ! ( No.25 )
- 日時: 2013/04/23 22:44
- 名前: ^p^ ◆vMGDUlK0sc
番外編『葵の青い二年間。』
(これは葵が小学生四年生の頃のお話。)
ヒソヒソヒソ……
あぁ、うるさい。
コソコソコソ……
黙れ。
ヒソヒソヒソ……
うるさい。
コソコソコソ……
黙れ。
「おい、葵!」
何だコイツ。
訳分かんない。
キモイ。
「今日帰り、ゲーセン寄るから金持ってこい。」
は?何言っちゃってんの。
キモイんだけど。
「……はい。分かりました。」
「んじゃあまた後でな。」
男子は笑いながら教室を出ていった。
ヒソヒソヒソヒソうるさい。
何で皆私の事を無視するの?
〜二年生の頃〜
「葵ちゃん!」
「ん?なーに?」
ああ、引っ越しの事かな。
「ひっこしちゃうって本当!?」
「いやだよ!わたしまだ葵ちゃんといっしょにいたいよ!」
「ごめんね。お母さんとお父さんが事情で……」
私だって引っ越すのは嫌。
でも、親の事情だもん。
〜一週間後〜
引っ越しの時が来た。
「葵ちゃん!」
「わたしたち、いつまでも友達だよ!!」
「ありがとう!向こうについたら……手紙出す!!」
『ブロロロロロ……』
車はどんどん走って行く。
「いかないで!!」
「ワァアアアアアアアン……」
声もどんどん小さくなる。
やがて、見えなくなった。
そして、引っ越し先の近くの小学校に転校した。
「初めまして。鈴木 葵です!よろしくね!」
放課になると、みんなが私の所に来て、
「葵ちゃん、可愛い!」
「この洋服、どこで買ったの?」
「趣味はなーに?」
とても嬉しかった。
「うん!ありがとう!」
私は友達がいっぱいできた。
だけど、悪夢はその一週間後だった。
「おい、鈴木。」
「なーにー?」
振り向くと、男子だった。
「あ、……どうも……」
私はぶっちゃけ、男子が苦手だ。
キモイ。ただのキモい物体だ。
「お前、金持ちなんだろ?お前の家見てきたけど、クソでかかったんだよなぁー。」
何故か、私の友達が離れる。
「は、はい……?」
「だからさ……金貸してくんない?」
「……え?」
絶対貸すもんか、コイツなんかに……
「貸さなかったら……」
男子は手を挙げた。
「暴力、だぜ?」
「……渡し、ます……」
そして、これを公開した後の放課後。
「ねえ、一緒に帰ろう!」
「……るる、いこ。」
皆無視するようになってしまった。
〜回想終了〜
もうすぐ五年生なのに。
早く友達をつくらないとヤバイ。
でも、話しかけても無視される。
ヤバイ奴に話してるからって
私はヤバくない。
逆に脅されてるのに……
「なんで皆無視するの……」
誰にも聞こえないような声で言った。
無視されたまま、五年生になった。
またアイツ……あの男子と同じクラスだ。
「……何で……皆……」
教室で、そう呟きかけた時。
「皆怖いからだよ。」
「えっ……!?」
思わず振り向いた。
私の前で笑顔でいてくれてる子がいた……
「でも、君だって……私が怖いんでしょ……」
「大丈夫。私は怖くないよ。」
怖くない訳が無い。
私は怖い。
私は怖い……
「不良みたいなのに金貸してるんだったっけ?それ、返してもらってる?」
「はひっ!?い、い、いい、いちお、一応……」
びっくりした……
こんなに話しかけてもらった事、あったっけ……
「んじゃあ、そいつに全額金返してもらおうか!あと、もう金は貸さないって約束しよっか!」
「やめ、やめて……」
「いいの、いいの。早く行こう!」
私はこの子に背中を押されて、あの男子のところへ行った。
「おう、鈴木。どうしたんだよ。」
「早く、言っちゃえ!」
あの子がヒソヒソと言う。
……言っちゃおう。
「あ、あ、あの……」
「あ?」
「お金。返してください。」
「あぁ、まだだったか。ほれ。」
男子はお金を投げてきた。
私はそれを慌てて拾い、
「あと、もうあなたにはお金を貸しません!さようならぁああああああ!!」
私は走った。
何も聞こえないほど走った。
あの子も一緒にいた。
「はぁっ、はぁ……」
「大成功だよ!」
……本当に、大成功だ。
「……あり、はぁ、がと……はぁ……」
「いいのいいの。私達、今日から話そうよ。そうすればクラスにもだんだん打ち解けるだろうしねっ!
「う、うん……あり、がと……」
こうして私達は友達になったのだ。
〜現在〜
うーむ……
分からんなぁ……
「どうしたの?葵ちゃーん。」
「いやぁ、分からないところがあったのだよ。」
……嘘である。
「ここはこうしてー……」
「終わった……」
「よしゃあ!んじゃあ今日はたい焼き屋行こうよ!」
かなりいきなりであるが、たまには行ってあげる事もいい。
「……よし、行こう!」
私達は走り出した。
番外編だから&睡魔が襲ってきたのでぐちゃぐちゃですが我慢しt(