大人オリジナル小説

Re: The vengeful plan to her ( No.6 )
日時: 2013/07/20 15:16
名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ

いじめが始まってから何日が経っただろうか。机や教科書など、私の私物を隠されたり、落書きされたり。陰口、言葉の暴力。得体の知れない水をかけられ、体操服を泥まみれにされたり。ミカは何十ものいじめのパターンで私への攻撃を続けた。最初からわかっていたことだが、それが止まる事はまずない。止めるためには、私がこの学校からいなくなるか、もしくは誰か他の人がいじめられるという二択だけ。いじめがなくなる事はあり得ない。
私は誰にも助けを求めなかったし、手を差し伸べてくれたユウカを裏切った。誰かを犠牲にしてまでいじめという無意味な遊びから抜ける気はない。確かに辛い、苦しい。しかし、誰かを犠牲にする事で、もしもユウカやレナまでもが犠牲になったら。
それをさけるためにユウカを傷つけたんだ。その行動を無意味にしてはいけない。

「ルイちゃん。その制服おしゃれだね〜」

「あはは! 本当だ!」

「よくにあってるよ」

たとえ夏服のブラウスに落書きされようと。泣き叫びたいほどに辛かろうと。二人がいじめられる光景を目の前に無力で卑怯な自分を憎むよりは、まだ耐える事が出来た。



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生徒が密集している体育館の温度は、教室の温度と比べるまでもなく、尋常ではない暑さだった。体中から汗が噴き出し、ブラウスが体にひっついて気持ち悪い。お茶を飲んでくれば良かった。と後悔しながら、額の汗を拭う。
一学期最後の学校、夏休みのはじまり。去年のようにユウカとレナと一緒に夏を過ごす事が出来るかはわからないが、少なくともあの地獄のような日々からは一時的ではあるが抜けられるのだ。
私は校長先生の話を半分聞き流しながら、ぼんやりとユウカとレナを見ていた。真面目に校長先生の話を聞くユウカに対して、レナは眠そうに目をこすり、うつむいている。今にも寝てしまいそうだった。

 ――――二人らしいな……。

うるさいセミの声が体育館に響き、私の意識を遠くしていった。