15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

＃3　心の奥底(優香視点)


　いつもの曲がり角で、私は香織を待っていた。


　香織は親切だし、美人だし、勉強も、スポーツもできる。いつも平均点前後で一喜一憂している私に自分のことはそっちのけで勉強を教えてくれる。


　何でも話せる最高の親友だと思ってる。たぶん、向こうも。




　……でも、私には香織に言っていない、というか言えない秘密がある。


　香織に勉強教えてもらってる時、体力測定でペアになって一緒に測っている時。


心の奥のほうがチリチリするんだ。


　香織が何のとりえもない私と親友なのは、なんか裏があるんじゃないかって思えてくる。
　何のとりえもない私との差を皆に見せ付けるために私と一緒にいるんじゃないかって。
　香織は鈍いからそんなこと考えたことすらなさそうなのはわかってる。


あ。


「優香ー！！！！！」


来た。

……パンくわえてスカート翻して私の元に突進してきてるあいつがそんなこと考えてるわけないな。










でも、自分でもわからないような香織への不満がだんだん大きくなって私と香織を陥れることになるなんて、まだ私は知る由もなかった。