大人オリジナル小説

Re: 裏切られるのに、慣れただけ。 ( No.8 )
日時: 2013/11/09 14:59
名前: くう ◆RbIa02uyMM

#1 栄枯盛衰

午後12時30分。

今は中学校の卒業式が終わって、緊張感の抜けた半分大人の旧中学三年生たちが写真撮影や寄せ書きをしているところだ。
泣いている人も言れば少し照れたような表情をしている人もいる。
大体2,3人くらいのグループがひしめき合っているその中で、私の周りには異様ともいえる人だかりができていた。


「今日限りで横山、いなくなるんだな……。」
「横山先輩の顔を見れなくなるなんて、親取られるよりも悲しいです!」
「香織、行かないでええええ!!」
「横山の事は忘れないからな……!」


先輩が、後輩が、友達が、先生が、皆私の旅立ちをかみしめてくれていた。
皆が地元の高校に行く中、私と私の親友の香織だけが遠く離れた東京の学校に行くことになったのだ。

……って、ん?

なんか、ものすごい足音が聞こえる。



「「「香織ー!!!」」」
「うわあっ!?」


飛びついてきたのは優香と、大好きな家族達だ。

「優香にお母さんに、お父さんまで!お父さん、今日仕事じゃなかったの!?」
「相手との取引をサボるのなんて、娘の卒業式に出ないことに比べたら屁でもないぞ!!」
「いや、それダメでしょ。で、何で優香と?」
「なんかね、歩いてたr「香織の卒ぎょ「走ってたらな」
「いっぺんに言わないでよ、聖徳太子じゃないんだから!つまり、式が終わって優香とお母さんが合流して一緒に私を探してたら、式の途中でものすごい音と共に入ってきた非常識なお父さんに出くわしたってことだね?」

「「「さっすが香織!」」」


***
……楽しい。

このころは毎日、顔が痛くなるほど笑ってた。

でもそれももう、過去の事。